セルフスキャンアプリを
10倍進化させる方法

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セルフスキャンアプリを導入済み、リニューアルを検討中、あるいは残念ながら断念した場合でも、本ホワイトペーパーが役に立つでしょう。

2021年のNRFにて弊社セッション「新型コロナ時代における小売業の対策」でご紹介したように、「セルフスキャン)」のスマートフォンアプリを導入するべきタイミングは今です。

Following a 23% increase in Self-Scanning in 2020, 79% of US users intend to stay with it in 2021

一方、アプリを成功させるには将来を見据えて開発する必要があります。お客様は自分のスマートフォンを使って店で買い物をすることに慣れてきています。そうなると、より多くの機能を提供できなければ、お客様をつなぎとめることはできません。

大事な検討事項:

  • 買い物リストを追加するか?
  • クーポンを利用できるようにするか?
  • ID(身分証明書)の認証は?
  • 商品推奨によるアップセルの方法は?

本ホワイトペーパーでは、このような見落としがちな大事なポイントを解説しますので、貴社のセルフスキャンアプリの進化にお役立てください。10倍の効果が期待できるかもしれません。

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1. 設計から導入後まで

基本的に、セルフスキャンアプリとはスマートフォンで商品をスキャンして決済して退店する、というシンプルなものです。

ところが実際は、さまざまな選択肢を検討する必要があります。そして、課題はその作業を迅速に進めることです。

upsell opportunities

ユーザエクスペリエンスが劣悪だったり、スキャン性能が不安定だったり、決済方法が不便だったりすると、お客様がアプリを使わなくなる恐れがあります。そうなると、たとえ問題が解決しても二度と使ってはもらえません。

アプリの機能を検討する際に念頭に置くべきポイントを簡単なチェックリストにまとめました。

  • アップセル:商品推奨を追加してみませんか?
  • 買い物リスト:お客様の役に立つ機能はアプリの利用定着につながり、商品推奨や特価情報の提供にも使えます。
  • 決済方法:レジまたはデバイスで行いますか?それとも両方ですか?
  • 利用者サポート:アプリを初めて使うおうとして困ってるお客様を店員スタッフが迅速に支援できるようトレーニングしていますか?
  • シュリンケージ:カメラ(場合によってはダミー)などの盗難防止対策。あるいは店舗設計をしていますか?

スキャンディットは高性能なバーコードスキャン技術の提供の域を超えて、多くの小売業者やサプライヤをビジネスをサポートしてきました。小売業のお客様がアプリ開発を行う際、最適な手段を助言しています。

スキャンディットのお客様であるCoop Denmark様は、セルフスキャンの追加機能の好例を示しています。アプリのデータを利用して、パーソナライズされた特価、販促、値引きなどの情報を生成できるようにしたのです。

「スキャンディットのデータキャプチャ技術のおかげで、従業員もお客様も効率性を高めることができます。お客様は自分のモバイルデバイスを使って素早く買い物ができ、従業員の補助を一切必要としません」Coop Denmark
デジタルディレクタ
Thomas Klausbo氏

2. 実装、テスト、導入

バーコード読み取り機能をモバイルアプリに追加するのは比較的簡単です。スキャンディットのBarcode Scanner SDKを使用すれば、わずか4週間でネイティブアプリにバーコード読み取り機能を統合できます。これは実装とテストを含めた期間です。

しかし、展開時のアプリのユーザエクスペリエンスを最高に快適なものにする必要があります。

Expertise

スキャンディットがサポートしている小売業のお客様の多くは、セルフスキャンアプリをまずパイロット店舗で従業員とお客様に配布してテストしています。これはあらゆる問題点を解消できるよい方法です。

主な検討事項:

  • 配布:アプリストアとウェブページのどちらからダウンロードにしますか?いずれにしても、はっきり利用者に宣伝する必要があります。
  • アプリの使い方:初めて使うお客様のためのトレーニング戦略はありますか?シンプルで手間のかからないものにする必要があります。
  • 従業員エンゲージメント:アプリに関する質問に答えられるように情報や指示を与えていますか?店員は多くの場合、十分に活用されていません。アプリのアンバサダーには適任です。
  • マーケティング:アプリの認知買う題。当社のお客様であるMaxima様が「セルフスキャンアプリへの興味を喚起した方法を紹介しています。

スキャンディットはバーコード読み取り技術の提供を専門としていますが、世界の100社を超える大手小売業者のセルフスキャンのソリューションを実装する豊富な経験も有しています。

国内のお客様にはイオンリテール様の「レジゴー」も含まれます。

3. 最高のスキャン性能しか受け入れてはいけません

セルフスキャンアプリに不可欠な要素のひとつは、バーコードを読み取る能力です。初回の使用時から常に、バーコードの大きさや種類、状態に関係なくスムースに読み取れなければいけません。

言葉の上では当たり前に感じるかもしれません。小売業のお客様にとって絶対に外せないポイントがあるとすれば、これだと思います。

「Scandit Barcode Scanner SDKはそのまますぐに使用できます。デフォルトの設定には、ほとんど変更を加えていません」Colruyt Group
デジタルトランスフォーメーション マネージャ
Kristof Schraepen氏

店内におけるカスタマージャーニーでは多くの商品をスキャンする可能性があります。1回くらい読み取りにくかったり、手間取ったりしても許されるもしれませんが、2回続くと「有人レジのほうが楽だ」と考え始めます。不快を感じたお客様は、もう二度とアプリを使わなくなるかもしれません。または、他店に移りセルフスキャンを利用するまでです。

セルフスキャンアプリを構築する際は、スキャンする対象を考慮することが不可欠です。平均的な店舗には2万点を超える商品が並び、商品バーコードの形状や大きさもさまざまです。

明るさや角度に関係なく、消費者が商品を素早く正確にスキャンできるようにする必要があります。パッケージが湾曲していることもあれば、バーコードが若干破損していることもあります。

「スキャンディットのバーコード読み取り技術は、どんな角度でもバーコードを認識できます。このエンジンは暗い場所や光の反射といった悪条件でも、常に高度なパフォーマンスを提供してくれます」METRONOM
モバイルコマース部門 プロダクトオーナー
Jörg Decker氏

Scanditのバーコード読み取り技術は以下の課題にすべて対処できます。アプリにも同じことが要求されます。

暗い場所

スキャンディットのBarcode Scanner SDKは暗い場所でも正確に読み取れます。1ルクス(lux)未満でもバーコードの読み取りが可能です。

破損したバーコード

破損したバーコードも問題ありません。バーコードが半分に破れていても、バーが残っていればScanditのデータキャプチャですぐ解読できます。

光によるグレア

店内の照明がバーコード面に反射することもあります。スキャンディットのBarcode Scanner SDKはグレアにも対処できるという特長を備えています。

角度

お客様は商品を手に取るやいなやカゴに入れます。スキャンディットのBarcode Scanner SDKは45度の角度でもバーコードの読み取りが可能です。現在の買い物環境では店にいる時間をできるだけ短くしたいため、この機能は極めて重要です。

お客様にしてみれば、通路で商品にスマートフォンをかざして一生懸命バーコードとスキャナの位置を合わせるのは不快なことです。

4. バーコードの識別:小売業者は複数種類のバーコードを使用

店でアプリを使って読み取っているのがUPCなら、米国や英国で使用されている可能性が高く、JANコード(EAN)なら日本の他に欧州本土で使用されている可能性が高いです。

There are many retail barcode symbologies

しかしバーコードの種類は多く、小売業者はかなりの種類を使用しています。さまざまな商品カテゴリに加えて、クーポンにまで使用されており、あらゆるショッピングジャーニーに不可欠な要素となっています。

例えば、EAN-2 / EAN-5アドオンやGS1 DataBar、上記2種類のバーコードがあります。これらは単なる1次元バーコードですが、店内のいたるところにQR、Datamatrixといった、多くの2次元バーコードが使用されています。

「スキャンディットに特に興味を持ったのは、対応するバーコードの種類の多さです。JAN/EANやUPCといった標準コードはもちろん、Code 128やGS1 Databarのバリエーションにも対応しています。また、スキャンディットの優れた読み取り精度・速度にも驚きました」
GfK E2Eコンシューマパネル
オペレーション担当バイスプレジデント
Justus Gentner氏

読み取りの性能も大事ですが、セルフスキャンアプリをさまざまな小売業向けバーコードに対応させる必要も重要です。

5. 末永く使えるアプリをつくる

product offers on smarphone screen

抜群のスキャン性能を確保するなど、セルフスキャンアプリの中核となる機能を完備することは極めて重要です。そこを間違えなければ、お客様はアプリを気に入ってくれます。さらにうまくいけば、愛用してくれるでしょう。

しかし、そこで立ち止まってはいけません。次の開発フェーズとして、機能を増やす必要があります。アプリを使用する理由が増えれば、店で買い物をする理由も増えます。

このためアプリには柔軟性の高いコンポーネントを使用し、将来のニーズに合わせて変更できるようにしておく必要があるのです。

セルフスキャンも、以前は「なくても困らないもの」でした。主なユーザといえば、お店の熱烈ファンや最新技術を好む限られた顧客層でしたが、非接触型ショッピングへと時代が移行するなかで、セルフスキャンのスマートフォンアプリの利用は増え、バスケットサイズ(1人当たりの購入額)も上昇しています。

スキャンディットのバーコード読み取り技術により、リアル世界との情報交換が無限に可能になります。年齢確認からパーソナライズされた特価情報の表示まで、さまざまな機能を簡単に追加できます。

6. ARとMatrixScan:進化への近道

未来を見据えている小売業者にとって、セルフスキャンアプリを進化させる一番よい方法は拡張現実(AR)を追加することです。これは店、お客様、従業員にとって便利な機能です。

スキャンディットのBarcode Scanner SDKには、ARや一括スキャンの MatrixScanといった役立つ追加機能があります。これらの機能により、パーソナライズされた特価情報から商品情報まで、何でも瞬時に画面に表示できます。

Scandit MatrixScanはスマートフォンのカメラを使って複数のバーコードをまとめて読み取る機能であり、ARはデバイス画面上のスキャンした画像に情報を重ねて表示する機能です。

活用例を少し紹介しましょう。

パーソナライズされたクーポン

お客様は特価情報やクーポン、会員ロイヤリティプログラムが大好きです。MatrixScanとARを使用すれば、クーポンやカードを財布に詰め込んで持参しなくても、店でパーソナライズされた特価情報やクーポンを受信できます。

買い物客が商品棚にスマートフォンをかざしてバーコードをスキャンするだけで、関連商品の特価情報が画面上に重ねて表示されます。何より、その店ならではのパーソナライズされた特価情報を提供できるのです。

商品情報ルックアップ(参照)
Product Information Retail Grocery

商品情報ルックアップ(参照) は、スキャンディットのBarcode Scanner SDKを統合したスマートフォンアプリで使用できます。これにより、お客様はレビューや商品情報にすぐアクセスできます。お客様が商品のバーコードをスキャンするだけで、その商品に関する情報がデバイス画面に重ねて表示されます。

検索

スマートフォンアプリでスキャンディットの検索機能を使用すれば、「見つからない」商品も一瞬にして画面に表示されます。

お客様が棚の複数のバーコードをスキャンするだけで、ARオーバーレイにより、画面に目的の商品がハイライト表示されます。

商品のブランドやカテゴリで検索することもできます。

7. IDスキャンおよび年齢確認

ID(身分証明書)スキャンや年齢確認は通常、セルフスキャンアプリで対応するものではありませんが、これにより特別な機能を追加できます。例えば、短時間で簡単に登録できます。

よい例が2,700店以上を展開する欧州のコンビニエンスストアチェーンValoraです。2019年にオープンしたValora avecという24時間365日営業の小型店は、完全に無人化されています。

買い物をするお客様は、店でValora avecアプリをダウンロードし、スマートフォンで身分証明書をスキャンして登録します。これでアプリを使って店内の食料品を自由に購入できます。登録手続きはすべてアプリで行います。

「以前のプロジェクトで、スキャンディットが革新的技術を有するパートナであることは分かっていましたし、avecアプリでもスキャンディットのスキャンエンジンなら信頼できると思っていました。暗い場所でもすぐに確実に読み取ってくれます」Valora
コンシューマアプリケーション担当マネージャ
Dominique Martin氏

スキャンディットのBarcode Scanner SDKは、最高水準のバーコード読み取り機能と文字認識機能を提供します。したがって、スキャンディットのIDスキャンソリューションはクラス最高ということになります。

認識する主な書類

  • 米国、カナダ、EUの運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード、トラベルカード

ただし、これはほんの一部です。対応書類はもっと多く、たえず更新されています。詳細はこちらをご覧ください。

年齢確認

スキャンディットの大手小売業のお客様は、いち早くID確認機能を活用しています。米国では、配達サービスInstacartの配達員(pickers)がスキャンディットのテクノロジーを採用したアプリを使って注文品を代理購入し、配達しています。ID Scanningはアルコール飲料など、年齢制限のある商品に使用されています。

このケースでは、ID Scanningを宅配やカーブサイドピックアップでの年齢確認の手法として用いています。配達ラベルのスキャンと連動して、確認が必要な場合にはドライバに通知します。

重要な点は、IDスキャンが適切に行われた証拠を記録できることです。

8. 非接触型ショッピングはイノベーションという次元を超える

There's more to a Self-Scanning app

Scan(スキャン)・Pay(決済)・Go(退店)。単純に言えば、セルフスキャンとはそういうものです。そう考えれば、うまくいきます。

しかし、店や商品、お客様に応じて、非常に多くの選択肢があります。食品雑貨店であれば、買い物客にレシピを提案して、その商品を買い物リストに追加したらどうだろうか。

ホームセンタであれば、ペンキを買うお客様にハケのお買い得品をハイライト表示しようか、など。

このようなイノベーションにより、「スキャン・決済・退店」という域を超えて価値を高めることができます。そして価値を高めるほど、アプリを継続的に使ってもらえる可能性は高くなります。また、うまくいけば知り合いにも勧めてくれるでしょう。

新型コロナウィルスによるニューノーマルが加速させた非接触型ショッピングは、単なるイノベーションを超えたものとなり、商品やサービス、ブランドを差別化するひとつの方法にまでなりました。

最後に、お客様のデバイスにダウンロードされたセルフスキャンアプリをお店の一部だと思ってください。コールドアイルやレジ前ゾーンと同じくらい気を配って取り組むことで、大きな進化が望めるでしょう。その時は、ぜひスキャンディットにお手伝いをさせてください。

お役立ち情報をご覧ください

Scanditご紹介ウェビナー

モバイル・コンピュータビジョンとAR技術によるバーコードスキャンがもたらす画期的なDXについて事例を交えてご紹介します。

イオンリテール「レジゴー」

イオングループのGMS(総合スーパー)事業を担うイオンリテール株式会社は、Scandit Barcode Scannerを搭載したセルフスキャンアプリ『どこでもレジ レジゴー』によって、快適で楽しい買い物体験を生み出しました。

Scanditの4つの実装方法

あらゆるアプリまたはデバイスにScanditのスキャン機能を実装する4つの方法を解説します。