店舗業務のDX

-スマートフォンのスキャンアプリ活用による最新動向-

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昨今、オンライン注文のフルフィルメントから在庫チェック、荷受けまで、店舗スタッフがやらなければならない作業が増しています。

このような一連の作業をスマートにこなし、今までなかった体験まで提供できるデバイスといえば?

そう、スマートフォンです。

スマートフォンで稼働するスキャンアプリを使用して、店舗スタッフがこのような作業を容易に行う注目が高まっています。最近の例では、2021年7月にウォルマート(Walmart)が74万人のスタッフにSamsung Galaxy XCover Proを業務利用デバイスとして支給する計画を発表しました。

retail continues to evolve

本ガイドブックでは、COPE(会社支給端末)戦略またはBYOD(私有端末の業務利用)戦略を実現するために、スタッフが日頃から使い慣れているスマートフォンを最大限に活用する方法を紹介します。

具体的な内容は以下のとおりです。

  • 店内ピッキングアプリの開発:ハプティック(Haptic)技術を活用した触覚フィードバック機能搭載のスマートフォンアプリ。
  • 棚管理の最適化:複数の商品をまとめてスキャンして業務の高速化と効率化を実現。
  • 在庫情報チェックの簡素化:抜群の読み取り速度と最高水準の精度で実現。

これから店舗業務アプリの構築を検討する方も、既存にアプリをお持ちの方も、本ガイドブックを参考に新機能を導入することで、店舗スタッフに仕事をしやすい環境と提供し、効果的な店舗運営を実現できるでしょう。

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オーダーピッキング:目的の商品を特定し、スキャンして袋詰めする

店舗スタッフが口をそろえて言うように、オーダーピッキングは単に商品をカゴに入れる作業ではありません。

ピッカーは目的の商品を特定してスキャンし、適切なバケットに入れてスキャンしたら、すぐ次の商品に移らなければなりません。多くの場合、ピッカーはたくさんの異なる注文を同時にさばいています。

手のひらサイズのスマートフォンはオーダーピッキングに優れたデバイスとなります。そして、スキャンディットのテクノロジーを搭載したスマートフォンアプリは理想的なピッキング体験をスタッフにもたらします。

特に重要なポイントは、正確性とスピードです。リストの商品を正しく特定することと、素早く処理できるアプリが求められます。次の機能を満たしていなければ、合格点は得られません。

  • 直感的なUX:毎回マニュアルを見ないと操作がわからないようなUIでは、スタッフのストレスが増し、効率化は期待できません。シンプルで、不要なボタンや機能が散乱していないことが大事です
  • Haptic Feedback(触覚フィードバック): 一部のピッカーはイヤホンをつけた状態や雑音環境でオーダーピッキングを行うため、音声でスキャンを通知することができません。スキャンディットのBarcode Scanner SDKを使用したピッキングアプリなら、デバイスを振動させるハプテックス(haptics)による触覚フィードバックで通知させることが可能です。
  • 高性能なスキャン機能: 光の反射や湾曲により商品バーコードが不明瞭なことがよくあります。スキャンディットならこのような悪条件でも簡単に読み取れます。

BOPIS:商品の店舗受取

新型コロナにより、BOPIS(ネット注文・店舗受取)やクリック&コレクトと称して、オンラインで購入した商品を店舗で受け取るお客様が増えました。

通常、ピッキングした商品はパッキングされて、受取場所に配送されます。そこで唯一の決め手となる識別要素といえばラベルとバーコードでしょう。

多くの場合、店員は袋を1個ずつ調べたり、スキャンして目的のものを特定しなければなりません。スキャンディットのテクノロジーを採用すれば、このプロセス全体を簡素化できます。

  • スマートフォンの画面越しに目的の商品をピッキング:スキャンディットのMatrixScan技術と拡張現実(AR)により、店員が複数の商品をまとめてスキャンすると、デバイスの画面に目的の商品がハイライト表示されます。
  • ID scanning*: 追加の身分証明が必要な場合や年齢制限のある商品の場合は、スキャンディットのID Scanning技術により、バーコードスキャン、文字認識(OCR)、NFC技術を組み合わせて機械可読領域(MRZ)、テキスト、PDF417コード、生体認証RFIDチップを読み取れます。

*本機能は欧米のIDに限定されます。詳細はお問い合わせください。

返品後の棚戻しの簡素化

棚戻しは在庫管理における重要な作業であり、これによりどの商品がどの店舗にあるかという情報が常にデータベースに確保されます。

このためスマートフォンで稼働する店舗業務アプリで、この作業をより迅速かつ簡単に行えるようにする必要があります。

  • バーコードスキャン性能:バーコードスキャナには読み取りにくい角度でも正確かつスピーディに読み取れる性能が必要です。
  • 拡張現実(AR):スキャンディットのBarcode Scanner SDKを使用してARを追加すれば、バーコードをスキャンしたときデバイス画面に情報が重ねて表示されます。このケースでは、バーコードをスキャンするだけで商品の戻し先が分かります。

商品の値引き/値下げ

店員は商品の価格変更に日々対応していますが、この作業でバーコードスキャナが大きな役割を果たします。

スマートフォンを活用し、この手間のかかる仕事の一部をスマートに肩代わりしてもらいましょう。

  • 一括スキャン:陳列された商品のバーコードを1個ずつスキャンしなくても、まとめてスキャンできます。
  • 複数のバーコードを同時にスキャン:読み取った情報が取り込まれ、デバイスの画面に新しい価格を適用する商品がハイライト表示されます。

この2つの例では、スキャンディットのMatrixScanとAR機能を利用しています。

MatrixScan機能は複数のバーコードを検出、追跡、デコードして、ARにより瞬時に視覚的なフィードバックを提供します。スマートデバイスをバーコードにかざすだけで、一連のシーケンスで複数のバーコードを読み取り、デバイスの画面に情報を重ねて表示できるのです。

信頼できる在庫情報チェック

eコマースの時代を迎えた現在、小売業者は店舗レベルで在庫状況を把握し、オンライン注文を履行できるようにする必要があります。

したがってバーコードスキャン性能は極めて重要です。

  • 情報:画面に関連商品と価格設定に関する情報を表示します。
  • 暗い場所でも高速スキャン:スマートフォンでARなどの高度な機能を使えるだけでなく、エンタープライズ要件を満たすスキャン性能が必要です。

スキャンディットのBarcode Scannerはアパレル店に訪れるお客様が所有するあらゆるスマートデバイスでも高精度なスキャン性能を発揮します。

ラックの衣料品を素早く簡単にスキャン

あらゆる環境での荷受け・出荷

商品の仕入れは、物流センター、サプライヤー、メーカー、小売業者が連携して行っています。バックヤードでの荷受けは極めて重要な店舗業務であり、バーコードスキャン機能が不可欠です。

荷受けの際、店は複数枚のパレットを毎週受け取ります。パレットには一般に箱が積まれており、その中に箱詰めされた商品やバラの商品が入っています。

scan pallets

標準的なプロセスでは、少なくとも店員がパレットの箱を1個ずつスキャンしなければならず、必要であれば、いちいち箱を開けて商品を1個ずつスキャンしなければなりません。

荷受けは多くの場合、倉庫等の狭く薄暗い環境で行われています。このためバーコードスキャンアプリには次のような機能が必要とされます。

  • スピード:高性能なバーコードスキャン機能が必須です。
  • 悪条件:スキャン作業は多くの場合、閉所で行われます。スキャンアプリには読み取りにくい角度でも簡単にスキャンできる能力が必要です。

クライエンテリングとカスタマーアシスタンス

お客様は店にパーソナライズされたサービスを期待しています。商品に関する正しい情報を提供することによって、店員はお客様が求める情報をすぐに提供できます

スキャンディットのバーコードスキャン技術をアプリに統合すれば、店員はスキャンするだけで店内にいながら商品に関する役立つ情報を入手できます。

お客様が自分のデバイスで商品情報を探している場合は、店員もそのチャネルにアクセスする必要があります。

  • 商品情報:スタッフがバーコードをスキャンして、その商品に関する情報をお客様にすぐ提供できます。
  • 在庫検索:在庫の有無をチェック。スキャンするだけでデバイス画面に、当該店または別の店に在庫があるか、あればその数量が表示されます。

まとめ:店舗業務のあらゆる作業に使えるデバイス

店舗における業務は以前より増しています。そこで、スマートフォンは店員の強力な助っ人になりますが、スキャンディットのバーコードスキャン技術を採用することによって、ワンランク上の体験を実現できます。

本ガイドで紹介した店舗業務におけるスマートフォンの利用は浸透しつつあり、Walmartに限ったことではありません。スキャンディットは日本国内ではイオンリテールの「レジゴー」やオーケー、海外ではCoopデンマークやシプト(Shipt)など、多くの企業におけるスタッフ用およびお客様用のスキャンアプリの開発をサポートしてきました。

スキャンディットのスマートフォン用スキャン機能は他に類を見ないものです。高性能なシングルスキャンに加えて、ID Scanning*やAR、MatrixScanといった追加機能も利用できます。

*本機能は欧米のIDに限定されます。詳細はお問い合わせください。

Walmartも棚管理に向けて、スマートフォンアプリに拡張現実(AR)を実装する計画だと発表しています。これにより店員が棚をスキャンすると、デバイスの画面に関連情報が重ねて表示されます。

スキャンディットのテクノロジーを採用すれば、ARも店舗業務アプリに直接統合できるのです。

店員には特定の作業毎に最適なツールを提供するのではなく、あらゆる作業に役立つ1つのツールを支給しましょう。

そう、スキャンディットのバーコードスキャン機能を追加したスマートフォンです。

お役立ち情報

スマートリテール – Computer Vision for Smart Retailers

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お客様事例:オーケー

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