新たな資金調達でスキャンディットのコンピュータビジョン開発を加速 ― ユニコーン企業の仲間入りへ

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コンピュータビジョンはスキャンディットのSmart Data Captureプラットフォームの中核的要素です。この技術を利用すれば、スマートデバイスを使ってバーコード、テキスト、ID(身分証明書)、および実際の物体を比類ない速度と精度でデータとしてキャプチャし、物理的なアイテムを操作できるようになります。

ラストワンマイルのドライバーの配送時間短縮、患者と医薬品の照合、あるいは、小売業における商品の店舗受け取り対応によるクリック&コレクトの効率化など、その用途を問わず、スキャンディットの技術は業務ワークフローを自動化し、さまざまな業界の企業に役立つ実用的なインサイトを提供します。

しかし、これだけではありません。今後数年以内にさらに新しいソリューションを次々と送り出す予定です。Warburg Pincusが主導した1億5,000万ドルのシリーズD資金調達ラウンドにおいて欧州で新しくユニコーン企業の仲間入りを果たし、企業評価額が10億ドルを超えた当社は、今後、提供製品の進化を図りながら、エンジニアリング分野の幅広い人材を必要とする新領域にも注力していきます。

この投資への確信と当社の止まらぬ躍進を追い風に、2022年の1年間だけで欧州拠点のエンジニアリング・チームを65%拡大して、コンピュータビジョンと関連分野の刺激的な研究開発イニシアチブを数多く立ち上げたいと考えています。当社の主要エンジニアリング拠点(チューリッヒ、タンペレ、ワルシャワ、あるいは欧州内からのリモート)とハイブリッド型の職場文化とを組み合わせることで、スキャンディットは、優れたエンジニアリング文化の構築を目指す当社の情熱に共感し、製品の未来づくりに熱意を傾ける開発者にとって素晴らしい職場となるはずです。

エンジニアリングに関する取り組みにおける次のステップ

コンピュータビジョンおよび機械学習とモバイルイメージングの利用が、引き続きスキャンディットでの技術開発プロジェクトの中心となります。今後は、機械学習の利用と、Smart Data Captureプラットフォームを展開するスマートデバイスの拡充により一層重点を置きます。

最新の資金調達ラウンドによって、当社の自律型データキャプチャ領域におけるエンジニアリング関連活動が加速し、コンピュータビジョンの応用範囲がスマートフォン以外にも、ロボット、カメラ内蔵デバイス、ウェアラブルへと広がる予定です。サポート対象デバイスとアプリケーションの拡充に伴い、お客様が収集した大量のデータをクラウドで管理できる強力な機能も提供します。

北米では既に、当社のShelfViewソリューションを搭載した小売業向けロボットの大規模ロールアウトが完了しています。拡張現実(AR)、物体認識、文字認識(OCR)、その他コンピュータビジョン技術を融合したこの新製品では、クラウド上で1日に何百万枚の画像を処理します。これにより、小売業者が商品棚の陳列状況をリアルタイムで把握できるようになり、管理を効率化してよりスマートな店舗運営が可能になります。

さらなる技術強化へ

また、スマートフォンをはじめリソースに制約のあるデバイスに搭載される主要技術の強化にも引き続き取り組み、反復作業によるユーザーの負担軽減を目指します。

例えば、日常のバーコードスキャン業務の場合、多数のバーコードを離れた位置から1つのカメラフレームに収めて確実に認識できる機能によって、1つずつスキャンする必要がなくなるため、店舗スタッフの貴重な時間を節約できます。優れたユーザーエクスペリエンスを実現するには、極めて最適化された高度な画像処理アルゴリズムを用いて、高解像度/4K画像を市販の携帯端末でリアルタイム処理できるようになる必要があります。

ほかにも、IDのスキャン業務が例として挙げられます。以前からIDスキャン機能とOCR機能を提供してきましたが、今後は機械学習の利用を拡大し、1回のスキャンで複数の偽造IDを検出できるようにします。本物と偽物のIDを使って機械学習モデルを学習させることで、偽物のIDを検出し、偽造識別技術を拡張することが可能です。これは、年齢確認が必要な配達や小売店での年齢制限付き商品の売買など、多様な領域で非常に役立つ技術といえます。

インパクトをもたらす

当社の技術は大規模展開されますが、それは中核的要素である高度なエンジニアリングがなければ成し得ないものです。2021年、スキャンディットは1億5,000万台を超えるアクティブデバイスで利用され、年間数百億回のスキャンが実行されました。米国の食料品販売企業上位10社のうち8社、世界の宅配便会社上位5社のうち3社から信頼を得ています。FedEx、Levi’s Strauss & Co.、Sephora、NHS(英国国民保険サービス)、DHLをはじめとする企業で、従業員や顧客の日常を快適なものにし、日々の生産性を高めるためにスキャンディットが採用されています。

欧州における当社の研究開発拠点の選定は、優れたエンジニアリングを追求する当社の決意の表れであると同時に、これらの地域に対する当社の起業家精神と野心も示すものです。新しい技術への私たちの好奇心と情熱が、チューリッヒ工科大学(ETH Zurich)のコンピュータサイエンス学部のスピンオフ企業として創設された当時からそのエンジニアリング文化を特徴づけてきました。生み出す製品だけでなく、エンジニア集団として一体となって取り組むなかでも、品質を重んじる姿勢は昔も今も変わりません。初期の頃に比べチームは大きく成長しましたが、互いに協力し合い助け合って最善を尽くす独自の風土を守り続けることができました。今なお積極的に小さな改善を重ね、可能性の限界を探ることに喜びを感じています。

コンピュータビジョンに関するチームの取り組みは、スマートフォンでのスキャンによって単純なバーコードを識別できるようにして、デジタル世界と現実世界をつなぐ架け橋を築くことから始まりました。当社の野心的な長期目標には、コンピュータビジョンを利用して日常の物体を識別できるようにすることだけでなく、個々の環境でバーコードの位置を特定できるようにすることや、より一層深いインサイトとより大きな価値をユーザーに提供することも含まれています。自律型デバイスをその目標に組み込むことで、顧客、企業、従業員が各自の環境、ひいては世界をナビゲートする方法に革命的変化をもたらす素晴らしい継続的取り組みが待っています。

ご興味がある方は、ぜひスキャンディットにお問い合わせください。