先を見越したテクノロジーソリューション「Smart Data Capture」とは

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先を見越したテクノロジーソリューション「Smart Data Capture」とは

ちょうど1か月ほど前に米国ロサンゼルスで開催された、スキャンディットの米国顧客限定イベント「Empower USA」。企業が現在直面している課題と、現在から将来にわたり役立つテクノロジーソリューションについて、ビジネスリーダーやインフルエンサー、業界の専門家と議論する絶好の場となりました。

イベントのテーマは、従業員、顧客、企業が現代の最優先事項であるマクロ課題に対処できるよう支援するうえで、Smart Data Capture(スマート・データキャプチャ)技術がいかに役立つかを検討するというものでした。

1.データ: 顧客や従業員の獲得と維持における鍵

昨今、データを抽出して適切に利用しない企業は、自ら制約を設けているも同然です。それが時代遅れのデータキャプチャツールやプロセスによるものでも、収集したデータを利用しないことによるものでも、マイナスの影響を及ぼすことに変わりありません。なぜなら、実用的なインサイトを得て情報に基づくビジネス上の意思決定を行うことで、オペレーションの最適化や、コストの削減、トレンドの予測、チャンスの特定が可能になるためです。最終的には、競合他社に対する優位性が得られます。

しかし、ほかにも理由があります。今や顧客と従業員の双方が、正確なリアルタイムのデータを得て彼らのニーズを予期することを企業側に期待しています。例えば、誰かが同じ商品を3か月連続で注文した場合、それを簡単に再注文できるオプションがなければ、その顧客は「私がこれを欲しがっていることを店側はわかっているべき」と不満を募らせることが考えられます。また、商品が発送されたら、その現在地と正確な到着時刻を知りたいと思うはずです。

実際、ポストコロナ時代は、顧客と従業員の要求が厳しくなりつつあります。何よりも重要な点は、彼らが私生活の他の部分と同じく、企業が投資することを選びさえすれば、役立つ最先端のテクノロジーが(ソフトウェア、ハードウェアともに)存在するのを認識していることです。例えば、従業員はもはやハンディターミナルを奪い合うように共有するのではなく、個人専用のデバイスを携帯しておくべきです。そうすれば、必要に応じてすぐにデータにアクセスできます。

要点は、顧客や従業員の日常に利便性をもたらすデータを無視すれば、人材や利用者を失う可能性が高まるだけだということです。そうでなくとも過酷な経済環境において、それを許容する余裕はどの企業にもありません。

2.従業員の満足度 = 顧客の満足度

企業にとって従業員は最大の資産であり、偉大なブランドアンバサダーであり、極めて重要なインフルエンサーでもあります。従業員の満足度や感情を重視しなければ、人材確保に悪影響が出ることはもちろん、顧客の満足度にまでマイナスの影響を及ぼすことになるでしょう。

この2つのグループの間には見過ごすことのできない相互依存関係があります。IDCの調査によれば、回答者の85%が「従業員エクスペリエンスの改善が顧客満足度の向上につながる」と答えており、この相関関係は以前に行われたHarvard Business Review誌の調査でも裏付けられています。

とはいえ、従業員に関して実際に検討すべきは、テクノロジーソリューションや適切なツール、必要なデータへのアクセスを提供する方法についてです。従業員に必要なのは、顧客により良いサービスを提供するための情報が与えられること、テクノロジーのサポートによって面倒な手作業でのプロセスから解放されること、その代わりにより大きな顧客価値を生み出す能力が得られることであり、すべてが楽しくストレスのない方法で実現されなければなりません。

例えば、買い物客がMサイズのジャンパーを探していて、店舗スタッフが在庫状況をチェックし、バックルームにあるとその客に答えたとしましょう。在庫を取りに行ったスタッフが手ぶらで戻ってきて、その原因が在庫データの誤りにあった場合、スタッフは、いたずらに待たされた挙句がっかりする顧客にその事実を説明しなければならない状況にフラストレーションを感じてしまうことが考えられます。

これから時代、従業員が職場に満足するには、自己完結でき、十分な情報が得られ、効率的で素早く行動できるようになる必要があります。また、それを達成するうえで、どのような方法がスマートフォンなどの既に使い慣れたスマートデバイスを使うよりも効果的でしょうか。

3.予測不可能な事態に求められる柔軟なテクノロジー

いかに経済の風向きが素早く変化するかを考えれば、企業はテクノロジーの力を借りてあらゆる事態に備える必要があります。

とはいえ、テクノロジーなら何でもいいというわけではありません。テクノロジー投資は、以下の観点を念頭に置き、先を見越したものに的を絞るべきです。

  • 優れた柔軟性と短い展開時間。コロナ禍では即座に方向転換できる能力が成否を分けました。どんな危機的状況や好機においても変わらず同じことが言えるはずです。すべてのビジネス活動を総合的に把握できる機能をユーザーに提供することはもちろん、多様なユースケースに適応し、即座に展開できるテクノロジーを探しましょう。
  • 高い拡張性と低TCO(総保有コスト)。急激なインフレ、サプライチェーンの混乱、地政学的緊張を考えれば、現代の投資は柔軟で息の長い、できれば多くの追加コストを必要としないものであるべきです。このようなシナリオでは、資金繰りが厳しい状況下でも事業の成長を可能にする、拡張性の高い、低CAPEXのソリューションが選択肢となります。
  • 顧客中心かつ従業員中心。先述のとおり、常に顧客と従業員を計画の中心に据えるべきです。この2つの利害関係者グループは事業の成否に多大な影響を及ぼすため、テクノロジーソリューションは双方の需要と行動に対応したものでなければなりません。

ソリューションとしてのSmart Data Capture

変わり続ける予測不可能な世界では、需要の高いビジネス上の俊敏性とインテリジェンスを提供するSmart Data Captureが、いくつかの最も差し迫った業界の課題にうまく対処できます。

端的に言えば、Smart Data Captureとは、バーコード、テキスト、ID(身分証明書)、および物体をデータとしてキャプチャすることで、リアルタイムの意思決定とワークフローの自動化を可能にするテクノロジーソリューションのことです。使い慣れたスマートデバイスに組み込むことができ、必要に応じてユーザーの個人用デバイスにも搭載可能で、優れた拡張性とコスト効率を実現できます。

しかし、Smart Data Captureの特長は、データのキャプチャ機能だけではありません。上記で触れたトレンドや課題の多くに、以下のように対応します。

  • 手間のかかる反復作業を従業員が忘れることができ、仕事への満足度に好影響を及ぼします。
  • 顧客の利便性を高めてロイヤルティを向上させるためのインサイトをもたらします。
  • 柔軟性が高く実装が容易で、多くの場合、多額のCAPEXを必要としません。

Smart Data Captureは、変化し続ける世界で現在から将来にかけて顧客と従業員を日常の主役に変えることで、先を見越した事業運営を可能にします。