モバイル・コンピュータビジョンによるラストワンマイル配送の最適化

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scan barcodes with smartphones

ラストワンマイル配送はサプライチェーンで最も重要(かつ困難)なフェーズのひとつです。現在の環境でも消費者は迅速かつシームレスで安全な配送を期待しているため、業務全体にわたって慎重な調整が要求されます。配送会社は競争力を強化し、需要の急増に対応して顧客満足を確保するべく、定期的にさまざまなツールを試して当事者全員のためにラストワンマイル配送の省力化や効率化を図っています。モバイル・コンピュータビジョンは配送業界で採用されている革新技術であり、これによりラストワンマイル物流のスピードと効率性が大幅に上がり、生産性とカスタマサービスの向上につながっています。

本ブログでは、配送業界の企業がスキャンディットのモバイル・コンピュータビジョンソリューションを活用してラストワンマイル配送業務を最適化する方法について述べます。

企業および従業員の日常業務の変革

スキャンディットのコンピュータビジョンと拡張現実(AR)の技術は、カメラ内蔵のあらゆるスマートデバイスでバーコードや文字の読み取り、データキャプチャを可能にし、企業や従業員の日常業務に変革をもたらします。当社はさまざまな業界の大企業が重要な日常的業務を俊敏かつ柔軟なモバイルデバイスに移行できるようサポートしています。その経験と市場をリードするテクノロジーを理由に、企業はスキャンディットが提供するコンピュータビジョン技術分野の最新のインサイトやソリューション、さらに決定的なものとして、導入を成功に導き、ビジネスベネフィットを獲得するベストプラクティスの提案に信頼を置いています。

モバイル・コンピュータビジョンとは?

コンピュータビジョン(Computer Vision)とは、カメラを内蔵するデバイスが人間の視覚と同じように画像を見て識別し、処理して適切なアウトプットを提供できるようにするコンピュータサイエンスの一分野です。コンピュータが見たものを解釈して適切な分析を行ったり、それに応じて行動する必要があるため、人工知能と密接に関係しています。

コンピュータビジョンの定義では、単一の画像や一連の画像から有用な情報を自動的に抽出、分析、および理解することに関係する分野とされています。コンピュータビジョンの画像データは、単一の画像からビデオシーケンスの一部まで、さまざまな形態をとることができます。例えば、倉庫の従業員はコンピュータビジョンを使用して荷物を識別し、しかるべき配送先に届けることができます。

カメラを内蔵するスマートデバイスは入手しやすく、汎用性が高いため、ほとんどの企業はモバイル・コンピュータビジョンを有効に活用できます。適切なソフトウェアを使用して最新のスマートフォンやタブレット、ウェアラブルなどのスマートデバイスにコンピュータビジョンの機能を追加すれば、画像データを瞬時にキャプチャして分析できるようになります。このためモバイル・コンピュータビジョンの用途はほぼ無限に広がります。アナリスト企業Forresterの2019 New Tech Reportには「コンピュータビジョンのソリューションにより、企業のドキュメント、従業員、製品、機器に関してかつてないインテリジェンスがもたらされ、新しい機能や製品、サービスの実現につながっている」とあります。

また、このテクノロジーは農業、バイオメトリクス、地球科学など、多くの分野でたいへん有望視されており、すでに配送業界に変革をもたらしています。

モバイル・コンピュータビジョンによるラストワンマイル配送のサポート

ラストワンマイル配送は配送チームにとって極めて重要なプロセスであり、荷受人に満足してもらえるか顧客を失うかの分かれ目になります。また、現在はより迅速で円滑なだけでなく安全な配送に対する消費者ニーズも高まっていることから、ラストワンマイル配送システムの3つのステップをすべて最適化することが従来になく重要とされています。

幸いなことに、モバイル・コンピュータビジョンのソリューションを導入すれば、荷物の識別、仕分け、配達を難なくこなし、eコマースをさらなる成功へと導くことができます。

このラストワンマイル配送のためのソリューションについて以下にご紹介します。

1. 配送センタ

配送センタは、適切な荷物を集荷し、しかるべき配達車両に積み込むためになくてはならないものです。従来、倉庫スタッフは高価なハードウェア型のバーコードスキャナを使用してこの作業を遂行していました。この従来の読み取りツールからモバイル・コンピュータビジョンを採用したスマートデバイスに移行することによって、配送センタの業務を迅速化し、簡素化できます。

スキャンディットのBarcode Scanner SDKを使用してエンタープライズ要件を満たすデータキャプチャ機能を最新のスマートデバイスアプリに統合すれば、ハードウェア型の専用端末に匹敵する性能を数分の1のコストで確保できます。何より、このデバイスではBarcode Scanner SDKのMatrixScan機能を利用して、複数のバーコードの検出、追跡、デコードを同時に実行できるため、配送センタ業務の全体的な効率が上がります。データをキャプチャを行うことで、拡張現実(AR)によりスマートデバイスの画面に重要な荷物情報がリアルタイムで表示されるため、配送センタのスタッフは配送ルートをできるだけ短縮するように荷物を整理して積み込むことができます。正しい情報を適切なタイミングで入手できるため、人的ミスの減少や生産性向上に貢献します。

2. 受渡場所(Point of Delivery)

荷物の受渡しはラストワンマイル配送における最後の重要なポイントであり、荷物が所定の最終目的地に到達する決定的瞬間です。当然、このステップでは適切な荷物が適切な配達先に適切なタイミングで届くよう慎重な調整が要求されます。荷物の管理番号(ID)やドライバの誘導案内、配達証明(PoD)の読み取りに際して、配送チームはさまざまな複雑な課題に直面しています。しかし、モバイル・コンピュータビジョン技術を採用すれば、スマートデバイスのアプリを使用して、こうした難題にも自信をもって明快に対応できます。

モバイル・コンピュータビジョンを採用したスマートデバイスを使用すれば、スタッフは受渡場所での作業を迅速かつ安全、正確に遂行できるようになり、コストを抑えながらお客様に優れた体験を提供できます。

例えば、スキャンディットのテクノロジーを採用したデバイスでは、配送手配係がスケジュールの作成、配送ルートの最適化、配送進捗状況の追跡をリアルタイムで簡単に行えるため、効率性と透明性が向上します。複数のドライバがスキャンディットのテクノロジーを採用したスマートデバイスを使用してGPSや動的ナビゲーション要素(天候や交通など)に関する情報にアクセスすることにより、効率的でシームレスな配送が実現します。MatrixScanにより、ドライバが複数のバーコードを一気にスキャンして積み荷を素早く識別できるため、荷物の受け渡しも容易になります。また、依然としてソーシャルディスタンス対策が実施されているなか、スキャンディットの非接触型配達証明ウェブアプリはお客様と配達員の安全確保に役立ちます。荷受人はドライバが提示したQRコードを自分のデバイスでスキャンし、配達証明機能を備えたウェブアプリを起動して(ダウンロード不要)、荷物をスキャンし、サインするだけで配達を確認できます。以下のビデオで使い方をご覧ください。

配送会社が繁忙期や需要の高まりに対応するために迅速な拡張を必要とする場合には、BYOD(Bring Your Own Device/私有端末の業務利用)方式により、臨時従業員や期間従業員にスキャン機能を備えたモバイルアプリだけ支給すれば、それぞれが自分のデバイスでこのようなラストワンマイルの業務を遂行できます。

従業員はスキャン機能を備えた配送アプリを使い慣れた自分のデバイスにダウンロードするだけで、すぐに業務を開始でき、説明やトレーニングも最小限で済みます。これは柔軟かつコスト効果の高い選択肢であり、BYODの場合、ハードウェア型スキャナを支給した場合に比べて総保有コストを最大70%削減できる上、需要の変化に応じた拡張も可能です。

あらゆる実装計画に必要とされる重要な要素についてエキスパートの見解をまとめた「ラストワンマイルにおけるBYODのベストプラクティスガイド」をご覧ください。ガイドを入手する(英語)

3. PUDO(プドー/宅配便ロッカー)におけるAR

受渡場所の場合と同様に、PUDOでもしかるべき荷物がステーションに予定通り、確実に届くよう綿密な調整が必要とされます。PUDOステーションの従業員は可能な限り迅速かつ正確に荷物を仕分けしてお客様の期待に応えなければなりません。このため、配送会社はモバイルデータキャプチャのソリューションへと移行しつつあります。

BYODや企業が支給したスマートデバイスにコンピュータビジョンのソフトウェアを搭載すれば、ARオーバーレイによりユーザに正確な荷物の詳細が表示されるため、配送する商品の識別や整理が容易になります。この革新的なラストワンマイル配送ソリューションにより、人的ミスが減少し、業務効率が向上します。スキャンディットのテクノロジーを採用したデバイスでは、従業員も臨時従業員も業務の経験値に頼ることなく、未配達の荷物や到着した荷物を簡単に処理できるよう誘導するため、PUDO業務のスピードとコスト効果が向上します。

スキャンディットでラストワンマイル配送が容易に

モバイル・コンピュータビジョンとこれによる配送会社の最適化について詳しくお知りになりたい場合は、今すぐお問い合わせください。また小売・物流チーム向けのモバイルデータソリューションに関する利用イメージについても、お気軽にお問い合わせください。喜んでお手伝いさせていただきます。