クライエンテリングで機会損失を減らし、店員を”パーソナルショッパー”に進化させる

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mPOS smartphone

消費者の要求に応えるのは容易なことではありません。新型コロナによって人々が求めるショッピングのスタイルや場所はますます変化しており、ファッション小売業者は懸命にeコマースの急増に対応しようとしています。

そして現在、浮上しているひとつの問いが、実店舗はこの先どうなるのか、ということです。

ハイストリートの店舗が営業を再開し、規制が解除されるなか、消費は上向いており、必然的に客足も伸びるはずですが、果たしてコロナ以前の水準まで戻るのでしょうか? 自宅で買い物ができて、列に並ぶ必要がなく、在庫も豊富にあり、便利な検索機能を使って楽に選べるオンラインショッピングの手軽さや利点により、消費者がファッション店に期待することは変わってしまったのでしょうか?

Forresterの2021年の調査によれば、消費者が期待することは変わりつつあります。

はっきりしているのは、店内エクスペリエンスを進化させ、一つひとつのやり取りに価値を持たせる必要があるということです。人々が店に足を運んで買いたくなるようにする必要があるのです。eコマースでは提供できないもの、すなわち融合体験を提供するには、店員とデジタル技術の力を合わせて「カスタマーアシスタンス」による販売を進化させる必要があります。

カスタマーアシスタンス:接客でサービスと売り上げを最適化

このように店内エクスペリエンスを拡充して、買い物客を引き寄せるには、店員が適切なデジタルツールとデータを利用できるようにする必要があります。そうすることで消費者に極めてパーソナルでユニークなショッピング体験を提供できます。

具体的には次のことが実現します。

  • 最適なレコメンデーションと専門的なアドバイスの提供
  • お客様の質問に100%自信をもってその場で回答
  • バックヤードに急いで在庫を確認しに行って買い物客を待たせる必要がない
  • チェックアウトの高速化や最新化

この実現にはスマートフォンが不可欠です。スマートフォンを使うことによって、店員は店内のどこにいても必要な小売システム(eコマース、在庫システム、CRMプラットフォーム)からデータを入手できるようになります。

実現すれば小売業者にとって双方両得となり、カスタマーエクスペリエンスを差別化してブランドロイヤルティを構築しながら、収益を上げ、来店客1人当たりの取引金額を増やし、何も買わずに帰ってしまうお客様を減らせます。これがカスタマーアシスタンスです。

NRFの最近の報告によれば、小売業者の73%がパンデミックによってテクノロジー関連の投資が加速したと回答しています(出典)。本書では、店内エクスペリエンスの未来を支える、次の2つのテクノロジーについて説明します。

  • バーコードスキャンと拡張現実(AR)の機能を統合したクライエンテリングアプリ
  • モバイルPOS(mPOS)ソリューション

信頼性の高いクライエンテリング

ファッション店員は、お客様の店内エクスペリエンスの決め手となる、重要な役割を果たします。新人にもベテランにも、モバイル・クライエンテリングアプリを搭載したスマートデバイスを携帯させることが重要です。

お客様から商品について質問された場合、スマートデバイスでタグのバーコードを素早くスキャンすれば、あらゆる情報を入手できます。環境情報や商品レビュー、色違いの有無など、さまざまな質問に対し、最も経験の浅い店員でも初日から、無限の知識を持ち、自信に満ちあふれた、経験豊富なコンサルタントのように振る舞うことができます。

アプリをバックエンドシステムに連携すれば、リアルタイムの在庫情報を共有して、例えば、その靴の24.0cmがあるかどうかを確認できます。

また、スキャンディットのMatrixScanのような高度なスキャン機能を活用すれば、棚にある靴箱の複数のバーコードを簡単に一括でスキャンし、必要なサイズをすぐに検索して特定できます。

適切なツールと情報があれば、スタッフは答えを知らなくても堂々と接客でき、買い物客がしびれを切らして帰ってしまうリスクも低減できます。しかも、長時間のトレーニングが不要になるのです。

言うまでもなく、快適なエクスペリエンスを提供するには、高速で信頼性の高いスキャン機能が不可欠であるため、Levi’s、Scotch & Soda、Aldo、MaxMaraといった大手ファッションブランドでは従業員用アプリにスキャンディットが提供する高性能なスキャンエンジンを統合しています。

店内エクスペリエンスに価値を付加する

クライエンテリングのアプリは、スピーディで情報豊富なeコマース体験を実店舗で実現するだけでなく、顧客エンゲージメントの向上をももたらします。

ファッションブランドは、拡張現実(AR)を統合して、より多くの「わお!(wow)」モーメント(感嘆の瞬間)を生み出すことができます。ARオーバーレイによりデバイスの画面に商品の情報や比較、レビューが表示されるため、大きなインパクトがあります。

最新のスキャン機能を統合したクライエンテリングのアプリとスタイリッシュなスマートデバイスがあれば、従業員は多くのことをこなせます。来店予約やフォローアップの予定を入れて関係を構築することもできます。また、ロイヤルティカードをスキャンして購入履歴を確認したり、セール情報をお客様に伝えたり、 全身コーディネートに合わせて関連商品のクロスセル/アップセルのための最適なレコメンデーションを行ったりできようになります。

大規模な破壊は不要であり、レガシーシステムも妨げにはなりません。Scandit Barcode Scanner SDK を使用すれば、簡単かつシームレスにバーコードスキャンと拡張現実(AR)の機能をNew BlackやMercaux、Mad Mobile、Keytreeといった多くの主要なクライエンテリングアプリに統合できます。またスキャンディットなら、あらゆるスマートデバイスを高性能なデータキャプチャ/ARツールとして利用できます。

ターゲット属性に合わせた要素を組み合わせることで、オンラインでの販売や競合他社とは一線を画したアシスト販売を実現できます。

mPOS:柔軟で手間がかからず、順番待ちもなし

高度な接客はもちろん重要ですが、プラスの(利益を生む)結果につなげる必要もあります。

ご存知のように、お客様は順番待ちを嫌うものであり、何も買わずに帰ってしまうことが大きな課題になっています。買い物客は急いでいたり、時間がかかるならと衝動買いしたものを考え直したり、単に探すのが面倒だからと(おそらくは違う売り場やフロアの)カウンターに向かったりします。

しかし、同じスマートデバイスにモバイルPOSソフトウェアを搭載すれば、店員は店内のいたるところで接客し、販売処理を行うことができます。かさばる外付けデバイスも必要ありません。

スマートフォンやタブレットを使用できるため、手にとってスキャンしたり、簡易テーブルに持っていってフロントカメラを使用して取引を処理し、袋に入れ、商品のタグを外すなど、柔軟に対応できます。手間のかからない、パーソナライズされたプロセスによって行列を解消し、終われば店員もデバイスもすぐに次の作業やお客様に対応することができます。

これは店舗で完全なオムニチャネル体験を提供するためにも不可欠です。例えば、店に欲しいサイズや色の商品がない場合、店員はすぐ近隣店舗の在庫をチェックして取り置きの手配をしたり、宅配の注文を入れながら、支払いや割り引きの処理を行えます。

また、売り場が狭かったり、高コストになる店にmPOSを導入すれば、固定POS端末が不要になるため、使えるスペースも広がります。

多くの外国人観光客にサービスを提供するハイエンドの小売業者の場合は、従業員が各自のスマートフォンを使用することによって、免税手続きを自動化し、スピードアップできます。ID Scanning機能を使用して詳細情報(パスポート番号、住所、氏名)を読み取れるため、手間をかけずに素早くフォームに入力できます。

スキャンディットの技術でカスタマーアシスタンスを進化させる

スキャン機能とAR機能を、現行または新規のクライエンテリング/mPOS用スマートフォンアプリに統合して、リアル店舗エクスペリエンスのアップデートとデジタル化を実現し、カスタマーアシスタンスを強化する方法については

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