スキャンディット、配送業務に関するグローバル調査レポートを発表

ラストワンマイルからの視点: スキャンディットの新たな調査により、世界1,217人の配送ドライバーのプレッシャーと仕事量の変化が明らかに日本のドライバーの78%が配送量の増加を指摘

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Deliver driver in the truck scanning a barcode on a parcel with a smartphone

Smart Data Captureのリーダーであるスキャンディットは本日、世界11カ国の1,200人以上の配達ドライバーを対象とした運輸・配送業界の現状を調査した総合調査レポート「グローバル調査レポート – 日本におけるラストワンマイルを担う ドライバーテクノロジー」を発表しました。2部構成から成るレポート第2弾となる本調査では、配送ドライバーの役割の変化、近年の仕事量の増加、業務で使用しているテクノロジーへの不満などが明らかにされています。

本調査では、日本人ドライバーの大多数(78%)が、「過去5年間で配達量が増加した」と回答し、平均して6分半に1つの荷物を配送し、1時間ごとに9つの荷物を1人のドライバーが配達していることが明らかにされています。また、65%が「異なる配達先への配達を完了しなければならなくなった」、71%が「より速く業務を遂行することが求められるようになった」、さらに多くの日本人ドライバー(76%)が「配達証明の写真提供などの新しいタスクが増えた」と回答するなど、業務内容の変化による業務量の増加は、深刻さを増しています。

スキャンディットの共同創業者で、最高経営責任者であるSamuel Mueller(サミュエル・ミューラー)は、次のように述べています。
「スキャンディットの調査により、配達員が限界ぎりぎりまで働いていることが明らかになりました。配送会社は、消費者の需要に応えるために革新的で多様なサービスを提供していますが、最前線にいるドライバーは、役割の変化、荷物量の増加、迅速な配達に対する消費者の大きな期待にプレッシャーを感じています。この重要な労働力を確保し、サポートし、維持するために、適切なテクノロジーを導入することが、今、配送会社に求められているのです。」

日本のドライバーの圧倒的多数(84%)が、玄関先での配達証明、年齢やIDの確認、カーブサイドでの荷物の確認、業務中の顧客や本社との連絡など、配達業務をスマートフォンで行っていることが本調査で明らかになっています。専用スキャニングデバイスを使用している配送ドライバーはわずか12%で、4%は配送を追跡するためのデバイスを全く使用していません。

 global driver report japan

さらに、日本のドライバーの86%が、配送業務に使用するデバイスの機能不足に不満を感じていることがわかりました。専用のスキャンデバイスであれ、スマートフォンであれ、ドライバーの23%は、一度に1つのバーコードしかスキャンできないことに不満を持ち、33%が読み取れないバーコードのスキャンに苦労し、28%が薄暗い環境でのスキャンに苦労しています。

使用するデバイスの種類にかかわらず、多くのドライバーは、これらのテクノロジーの機能を最大限に活用できていません。世界中の回答者の43%は、「業務上の2つ以下のタスクにしかデバイスを使用していない」と回答しています。ドライバーの誰もが持っているであろうスマートフォンにSmart Data Captureを追加することで、配送・運送企業は複雑で高価な複数のデバイスを用意することなく、不満を抱えているドライバーに対して改善されたスキャン機能と機能性を簡単に提供することができます。

業界内での転職

このような業務量の増大と変化は、人材不足と定着率の問題によってさらに深刻化して います。回答者の47%は、「過去5年間に人材不足が増加した」と回答しています。さらに、新しい労働基準法では、2024年4月からドライバーに年間960時間の時間外労働の上限が課されることになりました。この上限規制により、将来的に2027年までに24万人のトラックドライバーが不足する可能性があることが予測されています。

過去2年以内に転職を経験した日本人ドライバーは74%で、そのうち47%が1年以内に転職を経験していることが判明しました。70%が配送の仕事をしていたため、これらの多くは業界内での転職をしていることがわかります。また、39%が配送と別の仕事を掛け持ちし、12%が2つ以上の仕事を掛け持ちしていること、さらに回答者の中には最大で7つの職を持つ人もいることが明らかになっています。

このように流動的で離職率が高いにもかかわらず、日本のドライバーの89%が、「現在の雇用主を勧める」と回答しているように、配送業界は労働者にとって魅力的な業界だと言えます。さらに、柔軟な働き方ができるため、さまざまなキャリアや活動を追求することができます。例えば世界的に見ると、2つ以上の職を持つ人の29%は管理職、23%がクリエイティブやIT職、18%が配管や建築などの技能職に就いています。

スキャンディット ジャパンの日本事業責任者である関根 正浩は、次のように述べています。
「配送業界は、予測できない需要の増加に対応するため、柔軟性の高い労働力を必要としており、その大部分はギグワーカーやパートタイムとして雇用されるケースです。スキャンディットが日本で調査したドライバーの70%は、以前にこの業界で働いた経験があり、給与や福利厚生の充実だけでなく、柔軟な勤務形態、企業ブランドの評判、さらに、求められる役割を果たすための高性能なテクノロジーの提供を強く求める傾向にあります。」

日本では、期限付き受託業者(6カ月~12カ月雇用)とギグワーカーの比率が37%対63%であり、49%対51%という世界的な比率とは大きく異なっていることが本調査で明らかにされました。雇用形態にかかわらず、配送ドライバーは雇用主に5つの要素を求めています。給与(39%)と福利厚生(26%)が重要であることは明らかですが、日本ではワークライフバランスが重要視されており、世界平均の40%を大きく上回る50%のドライバーがこれを重視しています。32%が、「企業の評判に基づいて新しい雇用主を選ぶ」と回答しています。日本のドライバーの約3分の1(31%)が、仕事をする上で提供されるテクノロジーの種類によって配送の役割を分担しており、これは世界平均の26%よりも多くなっています。

そのため、ドライバーを惹きつけ、能力を高め、役割のあらゆる側面を適切にサポートするためには、効果的なテクノロジーを提供することが鍵となります。スマートフォンは使い慣れたデバイスで、操作も分かりやすく、BYOD(Bring Your Own Device)モデルが導入されているギグワーカーにとって理想のデバイスです。スマートデータキャプチャを使えば、ドライバーはラストワンマイルのワークフロー全体で幅広いタスクを管理できるようになります。調査対象者の86%が車へ荷物を積むために、また81%が荷台で荷物を探すためにデバイスを使用していないこと、さらに69%が ID認証を有効にしていないことが判明しました。これらのすべてをスキャンディットの Smart Data Captureのテクノロジーで実現することができます。

本調査について

スキャンディットと Opinium は共同で、2022 年 8 月、世界 11 カ国の市場で荷物および郵便物の配送を行う 1,217 名の ドライバーを対象に、調査を実施しました。対象となったのは、イタリア、インド、英国、オーストラリア、スペイン、ド イツ、日本、ブラジル、フランス、米国、メキシコのドライバーです。調査対象者には、ギグワーカー、期限付き業務受託者、フルタイムの配送ドライバーがいます。今後の配送業務に関するグローバル調査レポートでは、テクノロジーの利用状況や課題、ドライバーのストレスやモチベーションについて、より詳しく解説していきます。

関連資料
配送業務に関するグローバル調査レポート – ラストワンマイルを担う ドライバーの視点
動画: ラストワンマイルのデジタル・トランスフォメーション
動画: トラックドライバーのスキャン業務を支えるSmart Data Capture
Ebook: ラストワンマイル配送のイノベーションー配送業界を方向づける4つのメガトレンド ー

スキャンディットについて

スキャンディットはSmart Data Capture領域におけるリーダーであり、「比類のないスピード、正確性そしてインテリジェンスですべてのビジネスパーソンとコンシューマにSuperpower(超越した力)」を提供します。Scandit Smart Data Captureプラットフォームはスマートフォン、ドローン、デジタルアイウェア、ロボットなどのスマートデバイスで使用でき、バーコード、テキスト、身分証明書(ID)に加え、オブジェクトからもデータを認識して、エンドツーエンドのプロセスの自動化とインサイトをもたらします。

スキャンディットのテクノロジーはハンディターミナルと比較して最大3倍の速さでデータを正確にスキャンし、汚れや傷によって読みにくいバーコードや、光の反射や角度による悪条件下、また複数のバーコードでも正確にスキャンできます。スキャンディットを活用したイノベーションにより、大幅なコスト削減、従業員の利用定着率と顧客満足度の向上を実現します。スキャンディットは製品トライアル、ソリューション設計、インテグレーションからカスタマーサクセスまで全面的にお客様をサポートします。

イオンリテール、オーケー、ハンズ、U.S.M.H、ベルク、ヤマト運輸、カルビー、Instacart、Levi’s Strauss、FedEx、DHLなど、小売、輸送・物流、ヘルスケア、製造業のマーケットリーダー企業がスキャンディットを活用しています。

詳細については、www.scandit.com/jpをご覧ください。