ノルウェー最大のメディアグループHelthjemは、スキャンディットの高性能なスマートフォン型スキャンソリューションを採用したPUDO(プドー/PickUp DropOff)アプリで配達業務を効率化しました。高速・高精度のモバイルスキャン機能により、宅配取次店の従業員は時間を節約でき、荷物の迅速な受け取りや発送が可能になって、お客様の店内エクスペリエンスも向上しています。

読み取り速度・精度は当社にとって重要な差別化要素であり、配達サービスの集客と顧客維持に役立っています。主要なビジネスKPI(重要評価指標)であるサービスのスピードとカスタマエクスペリエンスの達成に向けて、スキャンディットを選択したのは正解でした
Helthjem 最高プロダクト責任者(CPO)Fredrik Stavik氏

課題

迅速な配達で顧客の利用定着性を高める

Helthjemとは、ノルウェーの3大メディアグループを合併して設立された流通パートナーシップです。この合併は同国の物流業界に変革をもたらし、Helthjemは急成長する宅配市場での活動を活発化しています。3,500人の配達員からなるネットワークを有し、毎日130万もの雑誌、新聞、書籍、小荷物を配達しています。

これまで、ほか2つのメディアグループは大手郵便・運送業者を利用してお客様に配達サービスを提供していました。Helthjemは、自社の配達サービスで集客・顧客維持を図るには、配達のスピードが重要な差別化要素になると認識していました。

同社はPUDOアプリを開発して、全国の宅配取次店での受け取りや発送を含め、スマートフォンで配達状況を記録していましたが、エンタープライズ要件を満たすスキャン機能を提供してユーザの全体的な配達エクスペリエンスを向上させたいと考えていました。

目指していたのは配達遅延の解消で、以前のプロバイダでは配達に遅れが生じ、カスタマサービスの質が低下していました。このため、さまざまな環境で高速に読み取り、あらゆるタイプのバーコードを正確にキャプチャできるなど、全面的に高性能なスキャン機能へと移行する必要がありました。

Helthjemはさまざまな専用スキャナとオープンソースおよび市販のバーコードスキャンソフトウェアに加え、スキャンディットのスマートフォン型スキャンソフトウェアをテストしました。

ソリューション

高性能なスキャン機能によるシームレスなPUDOの実現

HethjemのISV(独立系ソフトウェアベンダ)が実施したテストでは、スキャンディットのBarcode Scanner SDKが速度、精度、信頼性、汎用性の面で競合を凌駕していました。ISVはスキャンディットSDKのスキャンエンジンをHelthjemのPUDOアプリに統合して、Samsung X Cover 4Sスマートフォンにインストールしました。このスマートフォンを宅配取次店の従業員に支給してPUDOを記録できるようにし、ユーザの通信機器として汎用性を高めました。

Stavik氏は「さまざまなスキャンソリューションをテストして、高速・高精度のスキャンを実現する、無駄のない実用的な製品を探していました。スキャンディットはこの条件をすべて満たしており、当社が求めるシームレスな配達体験をもたらしてくれました」と述べています。

宅配取次店の従業員はHelthjemが支給したスマートフォンを使って、店への配達、お客様の受け取りや返品のための発送に際して荷物を素早くスキャンしています。荷物のバーコードをスキャンするのに以前は約2.5秒かかっていましたが、現在では数分の1秒で済みます。

また、Helthjemのオンライン追跡(トラック&トレース)サービスにより、お客様にもラストワンマイルの荷物状況に関してエンドツーエンドの可視性がもたらされました。

結果

宅配取次店の従業員が各荷物のスキャンに要する時間
1/3秒
スキャンディットのテクノロジーを採用したスマートフォンを支給されている宅配取次店
1300
高速スキャンにより、お客様と宅配取次店従業員のエクスペリエンスが向上
4倍

お客様と宅配取次店従業員の配達エクスペリエンスの向上に伴い、Helthjemはブランドロイヤルティを着実に高めています。

また、高価な専用の端末ではなくスマートフォン型のスキャンソリューションを選択したことでTCO(総保有コスト)も削減しています。

Helthjemは全国1,300店の宅配取次店にスキャンディットのテクノロジを採用したPUDOアプリ搭載Samsungスマートフォンを支給して、次のことを実現しています。

  • 100%の読み取り正確性:暗い場所や読み取りにくい角度、破損したバーコードでも正しく読み取れます。
  • 4倍高速なスキャン:数分の1秒で完了。快適なユーザエクスペリエンスの実現には不可欠です。
  • GS1 20世界標準:スキャンディットは産業規格機関GS1が推奨するモバイル用バーコードスキャンのテクノロジープロバイダです。

今後に向けて、HelthjemはPUDOアプリのバーコードスキャンソリューションを将来にわたって使用可能なものにし、カスタマサービスとユーザエクスペリエンスを継続的に高めていく考えです。さらに、MatrixScanや拡張現実(AR)オーバーレイといったスキャンディットのコンピュータビジョン技術をスマートフォン型スキャンソリューションに統合することを検討しています。

MatrixScanは一連のシーケンスで複数のバーコードをまとめて読み取れる機能であり、これにより配達プロセスをさらにスピードアップできます。

お客様導入事例

La Poste

La Poste、Scanditのスキャン技術によってオープンソースソフトウェアと比べ55%の配達迅速化と誤配削減を実現

Yodel

イギリスの配送業者Yodelは、専用のバーコードスキャン端末から従業員の所有スマートデバイス(BYOD戦略)に移行し、デジタルトランスフォーメーションに成功しました。

NACEX

スペインの配送業者はラストワンマイルの最適化に向けてモバイルコンピュータビジョンを活用