La Poste社は、フランスで突出した配送業者最大手として、その収益の半分以上を郵便事業が占めています。

オフィスと配送センターに在籍する配達員の数は9万人を超え、年間230億件もの配送を行っているため、業務の最適化と配送の効率化は最優先事項です。

これまでLa Poste社の配達員は、オープンソースのバーコードスキャンソフトウェアが組み込まれたAndroidアプリをローエンド機種のスマートフォンで使用して配達証明、配送状況追跡などのワークフローを行っていました。配達ルートで効率良く作業を進めるには高速・高精度のスキャンが不可欠であり、誤読は郵便物の誤処理・誤配につながる可能性があり、La Posteの時間、会計、評判の損害が発生する恐れがあります。

Scanditのスキャンソフトウェアに置き換えることでアプリおよび配達効率をアップグレード

La Poste社のIT ManagerであるPierre Prygoda氏は、次のように説明しています。「当社の配送プロセスにおいて、スキャンの精度は極めて重要な要素です。誤読があれば、誤配につながる可能性があるからです。オープンソースのソフトウェアはエラー発生率が高かったため、Scandit独自のスキャンソリューションを当社の従業員用アプリに組み入れることで、スキャン性能の向上とミス削減ができるか検証することにしました。それが可能であることは、すぐに判明しました」

La Poste社は、オープンソースとScanditのソフトウェアによるスキャンのパフォーマンスを様々な機種のスマートフォンかつ実際に現場で起きている悪条件下で比較検証する方法を求めました。その手段として、多数の配達員にScanditの「バーコードスキャナSDK」を組み込んだアプリを使用させました。

徹底したテストにおいて、対象のAndroid機種すべてにわたり、あらゆる面でScanditがオープンソースよりも高いパフォーマンスを示しました。Scanditアプリを使った配達員からのフィードバックは非常に肯定的で、スキャン速度が大幅に向上し、誤読が減り、より満足感があって信頼できるツールであると確認しました。また、Scanditの性能は、検討されたその他の独自ソフトウェアも上回りました。オープンソースと他社の独自スキャンソリューションには、オートフォーカスが遅い、様々な角度でのスキャンが困難、明るさの条件によってスキャン性能にムラがあるなどの問題があり、その全てが配達の遅延につながる可能性がありました が、Scanditのソフトウェアではそのいずれの問題も起こらなかったのです。

Scanditで文書処理の速度は最大55%アップ

La Poste社が実運用に近い条件下で実施した徹底的な検証により、Scanditはオープンソースのソフトウェアよりも圧倒的に高速であることを証明しました。

SamsungやHuaweiなど様々な機種を用いて、配達員による1回50件の文書処理速度をScanditとオープンソースで比較した結果、Scanditアプリでは、ひとつの書類ごとの処理速度は最大で55%速かったのです。フランス国内で1ヶ月に数百万回もスキャンが行われることを踏まえれば、この数秒はすぐに累積し、目覚ましい効率化となります。

スマートフォンで配達伝票のバーコードを読み込む

スマートフォンでの高性能スキャンによってエラー削減と配達速度アップ

検証結果を受け、La Poste社はScanditアプリを今後3年間のうちに9万台のスマートフォンに導入することに決定しました。Scanditのソリューションは、La Poste社の既存データキャプチャ機能および端末と並行して使用できるため、業務の中断を最小限に抑えながら段階的にロールアウトを展開できることが可能です。

Pierre Prygoda氏が補足します。「Scanditの技術は、オープンソースのモバイルスキャンではまったく太刀打ちできないレベルの性能を即座に提供してくれました。ビジネスに損害を生む郵便物の誤処理・誤配につながる誤読が減り、配達員は作業をより迅速かつ正確に行えるようになりました。試用期間が終了する頃には、配達員はScanditアプリを大変気に入っていたため、従来のものに戻したくないと話していました」

Scanditを活用することで、あらゆる配達業務において、あらゆるデバイスで、あらゆるスキャンが迅速化します。La Poste社による比較検証の結果、幅広い機種において、スキャン速度はオープンソースのソフトウェアよりも最大55%速くなりました。La Poste社の配達員は1ヶ月に数百万回ものスキャンを行うため、スキャン速度は大きな意味を持ちます。配達作業が効率良く進み、時間節約がみるみる積み重なっていくからです。

誤読の件数も劇的に低減し、誤配も遥かに抑えられ、誤配に直接または間接的に起因する高額な損害も削減できました。

La Posteアプリとの迅速かつシームレスな連携 – 今後の改良に備えたプラットフォームの提供

Scandit技術をLa Poste社の従業員向けアプリに組み込む作業は単純でした。社内の開発チームが組み込みと社内検証の管理(従業員トレーニングを含む)を行ったところ、プロセスは簡単で、特別な労力は必要としなかったと報告しています。

Scanditの連携は、La Posteアプリの全面的アップデートの一環として行ったため、導入に要した期間はわずか3~6ヶ月でした。Scanditのソフトウェアがアップデートされても、簡単に組み込むことができるため、スキャン効率を継続的に向上でき、将来的価値を提供できることで、開発チームはこれを高く評価しています。

お客様導入事例

NACEX

スペインの配送業者はラストワンマイルの最適化に向けてモバイルコンピュータビジョンを活用

Yodel

イギリスの配送業者Yodelは、専用のバーコードスキャン端末から従業員の所有スマートデバイス(BYOD戦略)に移行し、デジタルトランスフォーメーションに成功しました。