2015年にコロンビアで創業した宅配サービスを提供するRappi(ラッピ)は、買い物代行を行う配達員がオーダーピッキングの際にBYODスマートフォンで使用していたオープンソースのスキャンソフトウェアを、スキャンディットのバーコードスキャン技術にリプレースしました。ピッキングの遅れや商品のスキャンミスによる誤配による配達員の不満が大幅に軽減し、100%の読み取り精度を誇るスキャンディットのスマートフォン用スキャンソリューションによって、生産性が30%向上しました。スキャンディットは2万機種を超えるスマートフォンに対応しており、BYODを強力に支えます。

このスキャンアプリは、当社に成功に不可欠なものだと感じています。スキャンディットは自社のソリューションのことだけを考えるのではなく、エコシステム全体を配慮して提案してくれるパートナーです。導入プロセス、実地テスト、結果をしっかりモニタリングして、導入・構築期間全体にわたってサポートしてくれました。
Rappi プロダクトリーダー Firas Al-Ashram 氏

課題

高速・高精度のバーコードスキャンによるオーダーピッキングの最適化

Rappiはコロンビアで人気のある宅配サービスプロバイダーであり、中南米9カ国で店舗から玄関先まで商品を配達しています。会員はRappiアプリを使用して料理や食品雑貨、衣料品などの商品を、レストランやスーパーマーケットのほか、さまざまな小売店に注文できます。

迅速かつ高品質のサービスを約束するRappiでは、10万人以上の従業員と契約スタッフが、買い物代行を行う配達員として働いており、毎週約350万点もの商品をピッキングして配達しています。これまで配達員は、BYOD(私有端末の業務利用)スマートフォンでオープンソースのバーコードスキャンソフトウェアを統合したRappiアプリを使用し、商品をスキャンして店内でのオーダーピッキングを行っていました。注文品はその後、配達員がお客様宅に届けていました。

RappiのプロダクトリーダーであるFiras Al-Ashram氏は次のように述べています。「アプリに統合したオープンソースのスキャンソリューションは、一部の配達員のスマートフォンで正常に動作しないことが分かりました。商品バーコードを正しく読み取れず、遅延や誤配が生じていたのです。ショッパーが使用していたデバイスはローエンドからハイエンドまで数百機種にのぼり、その多くには旧バージョンのAndroidやiOSが搭載されていました。ユーザに常に上質のサービスを提供したいと考えていたものの、目的の商品を迅速に特定できる信頼性の高いツールを支給せずに、配達員に高品質の仕事(オーダーフルフィルメント)を期待していたのだと気付きました。」

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、対人距離を確保することが当たり前になり、宅配需要は急伸しました。Rappiは迅速に配達員を増員し、配達員にもお客様にも満足してもらうサービスや仕組みを提供する必要があり、あらゆるスマートフォンに対応するバーコードスキャンソリューションを求めていました。

ソリューション

スマートフォンによるスキャンアプリで配達員が高精度のオーダーピッキングを実現

Rappiの物流システムチームは複数のスキャンソリューションを比較検討し、スキャンディットが提供する高性能なバーコードスキャン機能に注目しました。同社はこれをアプリに統合し、わずか2週間足らずでソリューションを導入しました。

このスキャンソリューションは優れたパフォーマンスを提供し、RappiのBYOD戦略を強化するものとなった上に、次のようなさらなるベネフィットももたらしました。

  • 高精度:読み取り精度100%(ロボットが1,000回スキャンを実行するテスト環境における実験)。
  • シームレスな統合:Rappiの宅配サービスアプリに業務を止めることなく統合。
  • エンタープライズ向けサポート:ソフトウェアのアップグレードなど、オープンソースのバーコードスキャンソリューションにはないオプション。
  • トレーニング不要:配達員はAndroid/iOSアプリに慣れているため。
  • さまざまなデバイスに対応: 2万機種を超えるスマートフォンに対応。

結果

高速・高精度のオーダーピッキングによるショッパーの生産性向上
30%
BYODスマートフォンでスキャン機能を追加したアプリを使用する配達員
40万人
優れた読み取り精度による顧客クレームの削減
20%

Asパンデミック中にオンライン・ショッピングの急増が続いたことから、LATAM(中南米およびメキシコ)諸国の一部の地区では同社のアプリによる売上高が300%増加しました。自身のスマートフォンにRappiの宅配アプリをダウンロードした配達員からの肯定的な反応も増えています。スキャンディットのテクノロジーを採用したスキャンアプリにより、商品を特定してスキャンする速度は以前に比べて30%向上しました。また優れた読み取り精度により、スーパーマーケットでの商品選択ミスに関する顧客クレームも20%削減できました。

Firas Al-Ashram氏は次のように述べています。「スキャンディットは短期間で業務上のベネフィットをもたらし、これによりお客様への高品質なサービスと迅速な配達を実現できました。またスキャンディットのソリューションを活用して、データの英数字入力をスマートフォンによるスキャンに切り替えたところ、不整合なJAN/EANのデータベースレコードを自動的に修正できるようになりました。わずか数カ月で、データベースの50万点にのぼる商品のJAN/EANコードを修正できたのです。」

同氏はさらにこう続けます。「今後も継続的に成長したいと考えていますが、何よりスキャンディットと連携して配達員とお客様の暮らしを引き続き快適なものにしていきたいです。今はスキャン機能を使っていないような用途、例えばバーコードをスキャンすると商品の重さが分かったり、価格設定やIDカードの読み取りができたりなど、ほかにもスーパーマーケットには様々に活用できる可能性があります。当社はスキャンディット関連の構想に専念するチームを設置しているため、柔軟にすぐテストを行って最適なソリューションを採用できます。」

お客様導入事例

Everli

欧州の大手食品雑貨配達業者Everli(エバリー)は、目視で行っていた商品ピッキング業務をスキャンディットのバーコードスキャンソリューションを統合したショッパーアプリへと移行して、店舗でのフルフィルメントを効率化しました。

Shipt

買い物代行サービスShipt(シップト)は、BYODの超高速スキャナで食品雑貨の即日配送サービスを実現しました。巣ごもり需要の変動に合わせて柔軟且つ迅速に対応するShiptを支えるScanditの事例をご紹介します。

Instacart

Instacart、Scanditの「バーコードスキャナSDK」でBYODモバイルスキャンアプリを成功に導く