オムニチャネルの売上を増やし、カスタマーエクスペリエンスを向上

主な結果

  • オムニチャネル注文の在庫精度が100%に
  • 店舗スタッフの業務時間を50%以上削減
  • オムニチャネル注文からの収益が増加
  • テクニカルサポートのチケットが減少

統合

Barcode Scanner SDK

地域

全世界

業界

小売り

使用事例

在庫管理、店内ピッキング、受注組立、クライアンテリング

VF Corporation社は、アパレル、フットウェア、アクセサリーを取り扱う世界有数の企業です。人々が大切にしている生活様式、活動、体験と人々とをつなげることを使命としています。同社は主な製品ラインとして、Vans、The North Face、Timberland、Dickies など、活動的なライフスタイルに合ったブランドを擁しています。

1899年、ペンシルバニアで創業し、現在では全世界で1,265軒の小売店舗、35,000人の店舗スタッフを抱えています。

VF Corporationは、企業理念として、消費者や急速に変化し続ける世界市場に追従できるよう、常に進化することを目指しています。

同社は、このような指針に基づいて、Scandit Smart Data Captureを搭載したスマートデバイスを採用し、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、今後のニーズを満たすために必要となる業務の俊敏性を提供しました。


「Scandit Smart Data Captureのおかげで正確な在庫レベルを把握できるようになり、オムニチャネルの収益が増加しました」
Andrea Comi氏 - VF Corporation社、デジタル/テクノロジーDTC担当グローバルディレクター

課題

他の小売業と同じように、コロナ禍はVF Corporationにとってターニングポイントとなりました。オンラインの注文が増えたことで、在庫管理の問題が浮き彫りになったのです。

在庫誤差によって在庫不足が生じ、オンライン注文の15%がキャンセルされていました。また、顧客が来店して注文品を受け取る際の待ち時間が、15分に及ぶこともあり、混乱と顧客満足度の低下を招いていました。

店舗スタッフは、専用のスキャンデバイスを使って店舗業務を行っていました。リアルタイムのフィードバックは提供されず、商品をスキャンしてから結果をシステムデータと比較する必要がありました。間違っていれば、倉庫に戻ってスキャンした商品を確認し、食い違いを修正する必要がありました。この確認作業がボトルネックとなり、プロセスの速度が低下していたのです。また、遅い手作業による商品受け取りプロセスのため、企業の方針により店舗スタッフは受け取った商品のうち10%しかチェックできず、精度に影響を与えていました。

また、荷受けのプロセスが遅く手作業であることから、企業の方針で店舗スタッフは届いた商品の10%だけを確認することになっており、それが正確性に影響していました。

さらに同社は、すべての店舗がオンライン注文に対応できるミニ倉庫になることを望んでいました。

データを獲得し、データにアクセスするためのより機動的でリアルタイムのソリューションを必要としていたのです。それは日常業務の効率化に不可欠なものでした。

ソリューション

同社は、従来型のスキャナーをスマートフォンに置き換え、Scanditを活用した新たなアプリケーションを開発して、重要なデータキャプチャ機能を実現することにしました。Scandit Barcode Scanning SDKを統合するとともに、アプリケーションをSAP Fioriにリンクさせました。

「営業・技術チームとの最初のミーティングは印象的なものでした。そのとき、スキャンディットは平凡なベンダーではなく、多くのパートナーシップを提供していることを知りました」- Andrea Comi氏 - VF Corporation社、デジタル/テクノロジーDTC担当グローバルディレクター

まずはオムニチャネル業務に取り組み、店舗からの配送、BOPIS(Buy Online Pickup In Store、店舗受取)、ROBIS(Reserve Online Buy In Store、オンライン予約店舗購入)という3つのサービスに、Scanditを搭載したスマートデバイスを活用しました。

どのサービスでも、正しい商品のピッキング、注文品の組み立て、集配や配送のための準備が必要です。これらのプロセスでは、従業員による注文品のピッキングを助け、合意されたSLAを満たすために、高速で信頼でき人間工学的に優れたスキャン機能が必要になります。

同社は、これを段階的に実施するアプローチをとり、まず北米の店舗から、この技術のパイロットを始めました。これが成功し、その店舗のマネージャーが中心となって情報を広め、他の店舗でも導入を始めるよう働きかけました。

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成果

Andrea氏は、同社がScandit Smart Data Captureを利用することで得られる主な恩恵を3つ挙げました。

「1つ目は、Scanditによって、あらゆるプロセスがリアルタイムになったことです。2つ目は、荷受けが迅速かつ簡単になったため、店舗スタッフが合意済みSLAを守るだけでなく、それ以上のことを行った結果、在庫精度が向上したことです。3つ目は、オムニチャネルプロセスをすべてお客様の近くで完結できるようになったことです」

信頼性が高いモバイルのスキャン機能と、リアルタイムデータへのアクセスにより、在庫に関する情報が漏れなく可視化できるようになりました。店舗スタッフは、商品が店舗内のどこにあるかを、処理途中の場合や店舗フロアにない場合でも、正確に把握しています。

Andrea氏は、このことを自身の店舗での経験から次のように表現しています。「私自身も店舗にいた時に、入荷したばかりでまだ陳列していないジャケットを販売したことがある。これは、サプライチェーンの観点からはベストだと言えます」

Andrea氏は、店舗スタッフも大幅な時間短縮の恩恵を受けていると言います。「Scanditを従来のスキャンハードウェアと比較したところ、その信頼性と性能の高さから、スキャンの多いタスクでは店舗スタッフの時間が最大60%短縮されていました」

スキャンの高速性はプロセスの変化にもつながります。企業の方針により、以前は、店舗スタッフは届いた商品の10%だけをスキャンし、確認することになっていましたが、それが在庫誤差を生んでいました。Scanditを採用したことで、すべての商品が迅速かつ確実にスキャンされ、確認されるようになり、在庫精度が100%となって、注文キャンセルの防止につながっています。

「Scandit Smart Data Captureのおかげで正確な在庫レベルを把握できるようになり、オムニチャネルの収益が増加しました」(Andrea氏談)

顧客のオムニチャネル体験を向上させる

顧客から見た場合、注文品受け取りの体験が完全に変わりました。以前なら、注文品を受け取るまで、独りで最大15分待たされました。今では、顧客とスタッフが一緒に商品を取りに行き、その間に他の無料サービスについて話し合うことができます。こういったやり取りの結果、売上が増加しました。

同社は、業務オペレーションの効率化以外の恩恵も受けています。

「従来のハードウェア型スキャンテクノロジーを使っていたときには、毎日サポート依頼を受けていました。ScanditとSAP Fioriを導入してからは、店舗からサポートチケットが発行されることはなくなり、社員を他の業務に振り向けることが可能になりました」(Andrea氏談)

リソース計画も改善されました。以前は、店舗スタッフには予定が明らかにされていませんでした。しかし、新たなシステムにより将来の業務タスクが大幅に可視化されるようになりました。Andrea氏は次のように話しています。「今後7日間のうちに入荷する商品や、スキャンして入荷処理する必要のあるSKU数は把握しています。それによって、店舗で必要になるリソースの計画が可能になります」

Andrea氏は、これは同社とスキャンディットの取り組みの始まりに過ぎないと認識しています。「私にとって、今回の導入は基盤作りに過ぎません。業務にスキャンのスピード、正確性、インテリジェンスを導入するというスキャンディットのキーコンセプトから始めたところですが、その他にも、多数の先進的な機能を活用できます。そこで、業務のさらなる改善のために、より多くのレイヤーを構築しようというのが私の考えです」

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