注目機能：コンテキスト対応バーコードスキャン

倉庫作業者が、山積みの荷物の中から狙ったバーコードだけを瞬時に読み取る。
あるいは、店頭でお客様が棚のラベルをスキャンし、欲しい商品の情報だけを正確に取得する。

現場では、バーコードはきれいに1つずつ並んでいるわけではありません。スーパーの棚や倉庫では、バーコードが密集していることも多く、必要なものだけを初回で正確に読み取るのは簡単ではありません。

そんな課題を解決するのが、SDK 7.0に搭載された Scandit の新機能「Smart Scan Intention」です。ユーザーが読み取りたいバーコードを自動で検出し、不要なスキャンを減らしながら、毎回正確に読み取れるようサポートします。

その結果、ミスは減り、作業効率は大幅に向上。不要なスキャンは最大100％削減でき、食品スーパーのオーダーピッキングでは作業スピードが2倍になることもあります。

コンテキストを考慮してスキャンできる時代が到来しました。

年間100億件以上のスキャン実績と10年以上にわたるスキャン体験設計のノウハウをもとに、複雑な企業環境の課題を解決するには、従来の「読み取り速度」や「精度」といったスキャン性能だけでは不十分であることを私たちは知っています。

現場では、ラベルまでの距離、最適でない操作方法、バーコードの密集など、さまざまな要因がスキャンに影響します。では、ソフトウェアはユーザーが読み取りたいバーコードをどう判断すればよいのでしょうか？ そして、それを判断できなければ、どうやってユーザーが正確にスキャンできるようサポートできるでしょうか。

答えは、デジタル世界と現実の物理環境をコンテキスト連動スキャンでつなぐことにあります。
「Smart Scan Intention」は高度なAIアルゴリズムをカメラ映像に適用し、バーコードの検出・デコードだけでなく、複数の情報を分析します。

• 環境（Environment）：ユーザーが移動する中で、カメラの視野内にあるすべてのバーコードの数や位置を把握。
• ターゲット（Target）：視野内のバーコードの特徴を分析し、ユーザーが読み取りたいバーコードを特定。

これらの情報を組み合わせることで、「Smart Scan Intention」は、狙いが完全でない場合や視野内に複数のバーコードがあっても、常に必要なバーコードを正確に読み取ることができます。

配送・入荷担当者は、パレット上の複数の箱の中から正しいバーコードだけをスキャンして、すぐに次の作業に進めます。
小売店舗の従業員も、棚の前でデバイスを動かしたり考えたりする時間が減り、「Smart Scan Intention」が必要なバーコードだけを瞬時に抽出することで、正確な在庫補充がスムーズに行えます。

6,000万人以上のユーザーを持つ消費者向けアプリ「Yuka」では、直感的でストレスのないスキャン体験が不可欠です。しかし、店舗やパントリー、冷蔵庫など、バーコードが多く存在する環境では、意図しないバーコードが読み取られてしまい、スムーズな操作の妨げになることがあります。

そんな課題を解決するのが、Scandit の「Smart Scan Intention」です。高度なアルゴリズムにより、ユーザーが読み取りたいバーコードを正確に判断し、不要なスキャンを減らすことで、エラーを防ぎ、正確なスキャン体験を提供します。

François Martin, Co-Founder and CTO of Yuka

Smart Scan Intention を試す方法

「Smart Scan Intention」は、事前構築されたコンポーネント「SparkScan」に標準搭載されており、わずか数行のコードで高性能かつ最適化されたスキャン体験を実現できます。数分で導入可能で、スキャン動作をカスタマイズする手間を減らし、ユーザーは素早く正確なスキャンを体験できます。

また、「Smart Scan Intention」は、他の単一バーコードスキャン製品でも利用可能です。完全にカスタマイズ可能なバーコードスキャンを構築できる「Barcode Capture」にすでに搭載されており、まもなくノーコードアプリ「Scandit Express」でも利用できる予定です。

今日のビジネスに最適化されたバーコードスキャン

バーコードスキャンで最大の価値を引き出すには、あらゆる要素を考慮する必要があります。
バーコードの検出・デコードに加え、スキャン環境やユーザーの意図を踏まえることで、より迅速で効果的な体験が実現します。
この包括的なアプローチにより、不要なスキャンに悩まされる時代は終わりを迎えます。