MatrixScan Find:近未来のAR機能を現代に

| ニュース | スキャンディット共同創業者兼CTO Christian Floerkemeier

In-store order picker using augmented reality (AR) on a smartphone to find a product

Scandit - Christian Floerkemeier

探しものは何ですか? 見つけにくいものですか?
探しても見つからず、時間を無駄にしたことはありませんか?

スーパーマーケットで商品がすぐ見つからない、倉庫内で必要な荷物が見つからない、アセンブリ工場で工具や部品が見つからない等。このような時のいらだたしい気持ちを、誰もが経験しています。では、これが毎日、何百回もあったらどうでしょうか。

小売業、3PL 、フルフィルメントセンターなどあらゆる現場の最前線で働く従業員は、ピッキングや梱包、配送をするべき物品を探し出すのに苦労しています。段ボール箱、香辛料、化粧品、靴箱、DIY用品、衣類、医薬品など、似たような外観の物品の中から目当てのものを見つける場合は、特に困難です。

従業員の苛立ちの積み重ねに留まらず、いずれビジネス上の観点から悪影響を及ぼします。作業の遅延、確認ミスによる取り違え、顧客体験も損なわれます。

しかし、これはもう過去の出来事です。Scandit Smart Data Captureプラットフォームの新機能「MatrixScan Find」が解決します。スマートフォン上のアプリケーションで拡張現実(AR)を活用することで、従業員や消費者が検索をかけている商品、荷物、パレット等が瞬時にオーバレイで表示され、視覚的に見つけやすくなります。

MatrixScan Findは、スキャンディットが提供する高速・高精度なバーコードスキャン機能と事前構築済みのARインターフェースを組み合わせることで、目視で行っていた検索作業をテクノロジーに代行させます。わずか数行のコーディングで導入できるこの機能により、プロセスの迅速化、人的ミスの削減ないしは排除が実現するだけでなく、新たに雇用された従業員がすぐさま戦力として活躍できるようにもなります。

様々な業務に対応できるスキャンのワークフローを構築するため、MatrixScan FindはSparkScanともシームレスに統合できます。SparkScanは、あらゆるスマートフォンのアプリケーションに組み込むことができる、スキャンディットによる事前構築型のバーコードスキャン機能です。

Apple社のVision Proが示すARの可能性 ~デジタル・トランスフォメーションの鍵 ~

従来型の産業分野(小売、製造、サプライチェーン、ヘルスケア、運輸など)におけるデジタル・トランスフォメーションには、MatrixScan FindのようなARソリューションが必要不可欠です。

今にして思えば驚くことではありませんが、Apple社が新たに開発したヘッドセットVision Proが、スタンドアロン型のVRではなくAR/VR(Apple社では空間コンピューティングと呼んでいます)であったのは意義深いことです。

同社CEOのTim Cook氏は、ARはVRをはるかに上回る規模になるだろうと繰り返し述べています。またVision Proの一番の特徴は、デジタルコンテンツを物理空間とシームレスに融合させることです

画像著作権: Apple社

従来型の産業分野では、有形資産(製品在庫、機器など)や物理的業務(倉庫/店舗における業務、患者の治療、ラストワンマイルの配送など)に重点を置いてきました。また、これらが、世界全体のGDP 300兆ドルのうち75%を占めています。

今後、社員研修などのシーンで完全没入型(イマーシブ)のVR が重要な役割を果たすであろうことに疑いはありません。しかし、全体的に見れば、最前線で業務にあたる従業員、消費者、企業が物理世界と情報をやり取りする方法をデジタル・トランスフォーメーション(DX)する方が、はるかに重要です。

そこで、デジタル資産を物理世界と融合させるARが、大きなビジネスチャンスになるでしょう。

企業利用のARを実証実験するデバイスとしてのスマートフォン

ARが注目に値する理由は、他にもあります。長期的に見ればVision Proのような装置が重要なデバイスとなることに疑いはありませんが、今のところ、ARを容易に導入できるデバイスはスマートフォンなのです(モバイルの拡張現実(AR)市場は、すでに200億ドルを超える規模になっていると推定されています)。

かつてNetflixが、ストリーミング・テクノロジーが十分に成長するのを待ちながら、当初はDVDを顧客に提供していたように。スマートフォン上で稼働するARの活用が、最終的にウェアラブル・デバイスにARが導入されるまでのつなぎとなるのです。

ARを今すぐ始めまられます

MatrixScan Findをスマートフォンに導入して、ARのメリットを今すぐテストできます。
MatrixScan Findの詳細

… しかし、注意事項もあります

スマートフォンでARを活用する際に次のような障壁が現れるかもしません:コスト、アプリケーションのデザイン、統合、ユーザー側の受け入れ、セキュリティ、拡張性など。

ポケモンGOなど、コンシューマー向けのARエクスペリエンスにおいて成否の判断基準となるのは、ユーザーがどの程度の時間をそのエクスペリエンスに費やしたかです。しかし、企業利用のARの成否は完全に逆の基準、すなわち、費やした時間がいかに短いかで評価されます。

そのため、さまざまな異なる課題が生じるとともに、不十分なパフォーマンスを容認する余地がはるかに小さくなります。

Warehouse operative using augmented reality (AR) on a smartphone to find a product.

例えば、オーダーピッキングでARを利用するには、リアルタイムのシステム情報(ピッキングする商品に関する情報)を、確実で一貫した、直感的な方法で、棚にある実際の商品に付加できる必要があります。時間に追われながらピッキングする従業員にとっては、ARが「正確かつ素早く機能すること」が成否の条件になります。このようなUIとUXを考慮したシステムをデザイン(構築)するには、時間を要します。

開発に時間を費やさずにAIのメリットをテストする方法

スキャンディットは、ユーザが商品を直感的・迅速・確実に検索できるようにMatrixScan Findを最適化し、完成した状態でお客様に提供します。そのため企業は、アプリケーションの開発やテストに多くの時間を費やさずとも、企業利用のARを導入することができます。

MatrixScan Findは、実用的なコンピューター・ビジョンおよびARアプリケーションの研究開発を創業以来、10年以上に基づく経験から開発されました。

例えば、スキャンディットはオーケー株式会社に導入いただいた経験から、実際の店舗利用で求められる精度の基準がいかに高いものであるかを理解しています。

一般的に、95%の確率で対象物を正確に識別できるコンピューター・ビジョンのソリューションならば、優れているように思われるかもしれません。しかし、オーケー株式会社では、ピッキングミスから生じる従業員の疲弊や業務負担を解消するため、ほぼ100%の正確性に取り組みました。

このように高い精度を求められる場合、重要な影響が複数生じます。1つは、(少なくとも今のところは)画像認識やテキスト認識よりもバーコードの方が、信頼性が高くなるという点です。また、実際の環境で生じる悪条件(照明の暗さなど)に対応できることが、単に好ましいだけではなく、必要不可欠となります。

さらに、スキャンディットは、Weeshop社JISP/NISAなどの企業向けにARアプリを開発した経験から、 従業員がスキャン対象物やスマートデバイスと情報をやり取りする際の実際の身体的適応力を理解するのに、観察調査がどれほど重要かも熟知しています。この分野について何年にもわたってスキャンディットが実施した調査の成果は、MatrixScan FindのARユーザーインターフェースにも組み込まれています。

近未来のAR機能を現代の環境で活用

エンジェル投資家でありベンチャー・キャピタリストでもあるSarah Drinkwater氏は、最近の記事に「人の心を引き付ける製品や新しいテクノロジーの多くには、『アハ(なるほど、そうか)!』と思う瞬間があります」と記しています。「Midjourney に初めてプロンプトを入力したときや、初めてUberのボタンを押してタクシーが来たときに感じる瞬間のようなものです。まるで魔法のように、未来が視界に滑り込んでくるのです」

喧伝されているのとは異なり、ARがもたらす成功とはVision Proのスペックに現れるものではありません。解決不可能と思われた基本的な問題が、突然解決可能になったり、変えることができるようになったりという、「アハ体験」を見出すことが、ARがもたらす成功です。タクシーを呼ぶときの問題や、最前線で業務にあたるスタッフが製品、荷物、パレットを見つけ出すことに苦労する問題が、ARによって解決される瞬間です。

近い将来、従業員と業務を支えるために、ARウェアラブルデバイスの使用が増加すると見込まれます。すでに手中にあるテクノロジーを利用し、わずか数行のコーディングだけで、今すぐにでも、その一歩を踏み出すことができます。

商品を探す時間がもったいないと、うんざりしていませんか?私たちも同じ思いです。

ARを活用してスマートに検索しましょう

MatrixScan Findを使えば、探している商品や荷物が視覚的に表示されます、圧倒的な時間短縮につながります
今すぐ始める

本製品は特許取得済みです。