The Warehouseは店舗スタッフにスキャン機能付きコンシューマデバイスを支給した結果、以前に使用していた高額な専用デバイスやスマートフォンに装着するスレッドに比べて、TCO(総保有コスト)を3分の1に削減できました。同社は、コロナ禍により多くのお客様がオンラインで買い物をするなか、手動によるフルフィルメントをすぐにオンライン化できました。カメラを利用したスキャン機能により、クリック&コレクトでシームレスなカスタマエクスペリエンスを提供する一方、迅速にスケールアップ/ダウンできる柔軟性を確保し、店舗スタッフのユーザエクスペリエンスと生産性を高めています。

新型コロナウイルス感染拡大警戒レベル3および4のロックダウン時に、いきなり、わずか3日でオンライン注文が600%増加したのです。すぐに「紙とペン」による手動のオーダーピッキングから、スキャンディットのスキャン技術を統合したスマートフォンアプリに移行したところ、店内ピッキング/オンラインオーダーのフルフィルメントチームのプロセスが簡略化され、お客様のニーズに迅速に対応できるようになりました。
The Warehouse
Chapter Leader-DevOps Trevor
Jones氏

課題

スマートなスキャンデバイスで店舗業務に変革をもたらし、スタッフの効率性を高める

The Warehouseは、50年の歴史を誇るニュージーランド最大の小売グループ The Warehouse Groupの主力店舗です。国内に93店舗以上を構え、手ごろな価格のスポーツ用品や家電、衣料品、ホーム&ガーデン用品などを取り扱っています。

ここ数年間、同社の店舗チスタッフは支給された専用デバイスを使用して、在庫管理や商品情報、価格照合といった店舗業務を行っていました。そのうち、この専用デバイスは維持費がかかりすぎる上に、大掛かりなトレーニングを要するということが分かってきました。例えば、マルチタスク対応でないため、スタッフが作業を切り替えて、お客様に価格照合などの商品情報を提供することはできませんでした。タスクを追加する場合は別のソフトウェアプロセスとツールが必要になり、コストががさむ上、ユーザエクスペリエンスの低下を招いていました。

ニュージーランドでiPod touchが発売されると、The Warehouseは専用スキャナからこの安価なデバイスに移行し、iPodに装着するスレッドデバイスと予備バッテリを追加してスキャンできるようにしました。そしてカメラを内蔵するiPhoneおよびiPod touchにアップグレードし、スキャンディットのカメラを利用したスキャン技術を統合しました。これらのスマートデバイスにはカメラが内蔵されているため、バーコードスキャンスレッドは不要となり、コスト削減につながりました。

2020年の世界的なパンデミックでロックダウン対策が厳しさを増すなか、The Warehouseの店舗は必要不可欠なサービスとは認められず、休業を余儀なくされました。同社はすぐに安全・安心なクリック&コレクトサービスのオンラインオーダーフルフィルメントを整備することにしました。この計画は、手動による注文処理をスマートフォンのオーダーピッキングアプリに置き換えて、店舗チームが大量の注文に対応できるようにし、オンラインフルフィルメントチームとシームレスに連携しながら迅速なピッキングに対応するというものでした。

ソリューション

高速・高精度のモバイルスキャンアプリでオンラインオーダーフルフィルメントを効率化

商品ピッキングのスピードと精度は、オンラインのオーダーフルフィルメントと顧客満足度の要です。このためThe Warehouseは移行したスマートデバイスで、スキャンディットの超高速かつエラーのないスキャンソリューションを統合したオーダーピッキングアプリを使用して、オンライン注文の予期せぬ急増に迅速に対応しました。

The Warehouseでオペレーションを担当しているTrevor Jones氏は次のように述べています。「スマートデバイスで稼働するスキャンアプリは専用デバイスやスレッドに比べてコスト削減が実現できるだけでなく、柔軟性の高いソリューションです。在庫管理やクライエンテリング、棚卸し、オーダーピッキングといった現在の小売業務に役立つだけでなく、将来的に予想外なビジネスニーズが増えても対応できます」

さらに、店舗スタッフからの反応について「スキャンディットのテクノロジーを採用したスマートデバイスは使いやすく、研修を受けなくても簡単に使用できます。汎用性が高く、業務範囲が限定されないため、在庫チェックの途中で作業を切り替えて、来店したお客様の商品情報に関する質問にも臨機応変に対応できます。専用デバイスではできなかったことです」と言及しています。

結果

スキャン機能を追加したオーダーピッキングアプリにより、わずか4週間でクリック&コレクトを強化
4週間
店舗スタッフはスキャン機能を追加したスマートフォンアプリの操作をわずか5分で習得
5分
iPod touchまたはiPhoneを支給された店舗スタッフの人数
1,500人以上

柔軟で使いやすいスマートデバイスのスキャンソリューションでTCOを削減

3年以上前からスキャンディットのお客様であるThe Warehouseは、1,500台を超えるiPod touchおよびiPhone COBO(会社所有の業務専用)デバイスにスキャンソリューションを導入しました。店舗スタッフ全員にスマートデバイスを支給しているにもかかわらず、安価なスマートデバイスに移行したことによりTCOを3分の1に削減し、さまざまなメリットを手にしています。

  • 柔軟性: 新型コロナウイルス感染拡大時に4週間足らずでクリック&コレクトのフルフィルメントを強化するなど、業界のダイナミクスに迅速かつ効率的に対応できます。また、スタッフはスキャンディットの技術を採用したスマートフォンで稼働するスキャン機能を別のアプリに統合して、価格設定や在庫管理、販促、クリック&コレクトの受注記録、棚卸し、商品ルックアップ(参照)など、さまざまな店舗業務を遂行でます。
  • ユーザエクスペリエンス:  スキャン機能を追加したアプリの操作方法はわずか5分で習得可能であり、チームメンバーに大好評でした。読み取り精度・速度に優れ、店内の暗い場所ではカメラのフラッシュ機能も使用できるため、スタッフの業務効率が向上しました。 
  • 拡張性: ニーズに応じてデバイスの機能をスケールアップ/ダウンできます。また、オープンソースと異なり、開発者に簡単にネイティブアプリのプログラミングを依頼できます。 

世界規模でオムニチャネルリテールへのシフトが進むなか、The WarehouseはScanditのスキャン技術をフロントおよびバックヤード業務のアプリへの展開を検討しています。Trevor Jones氏は次のように述べています。「ゆくゆくは、この低コストのスマートフォン型スキャナでオンラインのデジタル体験と店舗アプリの境界線をあいまいにしてお客様向けのセルフスキャンアプリを実現し、オムニチャネル体験を提供したいと考えています」

お客様導入事例

Coop DK

顧客数160万人を達成したCoop Denmark、スマートフォンを活用したスキャンで店舗業務の迅速化とコスト削減を実現

drogerie markt

スキャンディット技術を活用したバーコードスキャンのモバイルアプリを従業員に支給し、店内のカスタマーサービスを強化したドイツのドラッグストアチェーン、ドロゲリエ・マルクト社の導入事例をご紹介します。

Everli

欧州の大手食品雑貨配達業者Everli(エバリー)は、目視で行っていた商品ピッキング業務をスキャンディットのバーコードスキャンソリューションを統合したショッパーアプリへと移行して、店舗でのフルフィルメントを効率化しました。