バーコードの種類 – 適切なバーコードを選ぶ方法 –

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iphone scanning a box using the camera

バーコードには多くの種類があり、それぞれが持つ特性によって活用の幅も制限も異なります。選択肢が非常に幅広いため、どのバーコードが製品や在庫などの資産管理に最適なのかを判断するのは難しいかもしれません。1次元バーコードと2次元バーコードのどちらに投資すべきか、業種によって最大の効果が見込めるバーコードの種類はどれか、そして最も重要なポイントとして、業務効率とビジネスへの貢献を最大限に引き出せるのはバーコードはどれか、といったところが検討の決め手となるでしょう。

Scanditは自信を持って、ビジネスでバーコードスキャンのメリットを活用できるよう支援いたします。ここでは、業務ごとに最適なソリューションはどれかを判断する目的で、主要な13種類の1次元/2次元バーコードを順番にご紹介します。正しい選択ができるよう、それぞれのバーコードの一般的な用途だけでなく、制限事項にも焦点を当てて解説します。

注: バーコードスキャン機能の具体的な用途や業界ごとの活用例に関連する詳細情報については、無料のeブック「Choosing the Best Barcode for your Business(ビジネスに最適なバーコードの選択)」をお申し込みください。

1次元バーコードのタイプ

1次元バーコードは、平行な線の幅と間隔を変えることで情報を体系的に表します。UPCコード、JANコードなど、長い間利用されてきた最もよく知られているバーコードタイプが含まれ、一般には線形バーコードとも呼ばれます。

1次元バーコードの長さは、保持する情報の量に直結するため、各コードに含まれる文字数は8~15文字の範囲内に収めなければなりません。1次元バーコードは、時間の節約と在庫管理ワークフローの効率化のため、様々な企業の業務に広く使用されています。

UPCコード

UPC(ユーピーシー)バーコードは、消費者向け商品にラベル付けされ、店頭での会計時にレジで読み取られます。米国を筆頭に、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界中で利用されています。その1種であるUPC-Aは12桁の数字をエンコード、短縮版のUPC-Eは6桁の数字のみエンコードします。

UPCはUniversal Product Codeの略です。小売業でのこのバーコードの目的は、スキャンするだけでその商品の特徴(サイズ、色など)を詳細まで識別することです。UPCコードにより、会計処理の効率化に加えて、店舗内や倉庫内の在庫管理を合理化することもでき、生産から流通までの全てにわたり、正確で効率的な製品追跡が可能になります。

業界: 小売

バリエーション: UPC-A, UPC-E

UPC

EAN/JANコード

EAN/JAN(イアン/ジャン)バーコード(JANは日本国内のみの呼称で、国際的にはEANと呼びます)も、販売時の商品スキャンを目的として、消費者向け製品のラベル付けに世界中で(特にヨーロッパで)使用されています。UPCコードによく似ていますが、主な違いは地理情報が含まれる点です。EAN-13(13桁で構成)が既定のフォームファクタですが、小さな飴玉などスペースが限られている商品には、EAN-8バーコード(8桁で構成)が使用されます。

EAN/JANコードの主な利点は柔軟性です。EAN-13は高密度のバーコードで、狭い面積に比較的多くのデータをエンコードできます。一方、EAN-8コードは非常に小さな製品や商品の識別に最適です。EAN/JANコードは1次元スキャナーでの読み取りも容易で、スキャン処理が高速かつシームレスに行えます。

業界: 小売

バリエーション: EAN-13, EAN-8, JAN-13, ISBN, ISSN

CODE 39

CODE 39(コードさんきゅう/さんじゅうきゅう)バーコード(別名:Code 3 of 9)は、様々な業界にわたって商品のラベル付けに使用され、自動車業界や米国国防総省のMIL規格としても採用されています。数字と文字の両方を使用でき、39文字のみエンコードできることからその名前が付きましたが、最新バージョンでは合計43文字に増えています。CODE 128バーコードと似ていますが、CODE 128ほどコンパクトではありません。

CODE 39の制約は、データ密度が比較的低いことです。サイズが大きいため、非常に小さな製品や商品には適していませんが、今も広く利用されている汎用的な選択肢です。チェックデジットを生成する必要がないこと、そしてほぼ全てのバーコードリーダーで読み取れることがその理由となっています。

業界: 自動車、軍事・防衛

code39

CODE 128

CODE 128バーコードは、コンパクトで高密度のコードです。物流・運輸業界で発注や配送に使用されています。サプライチェーンの用途で出荷梱包シリアル番号(SSCC)を使用してユニットにラベル付けする場合など、PoS未対応の製品を対象としています。CODE 128バーコードは、ASCII文字セットの128文字を全てサポートしているので、極めて多様な情報を格納できます。

CODE 128の最大の利点はデータ密度の高さにあります。このバーコードは、大量の線形データをコンパクトなフォームに格納できるので、出荷されたコンテナや梱包済みの商品の識別に最適です。このような利点があるため、出荷業務やサプライチェーン業務には自然とCODE 128バーコードが採用されています。

業界: サプライチェーン

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ITF(インターリーブド2 of 5)

ITF(インターリーブド2 of 5)バーコードは、世界中で梱包材のラベル付けに使用されています。印刷耐性が高いため、段ボールへの印刷に最適です。ITFバーコードは14桁の数字をエンコードし、ASCII文字セット全てを使用します。

ITFの最大の利点は、その印刷耐性が段ボールに適していることです。その結果、このセルフチェック機能付きコードは、情報をエンコードして製品パッケージに印刷する場合の強力なツールとなっています。ITFバーコードは、(文字ではなく)数字のみエンコードでき、チェックデジットは不要です。

業界: 梱包

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CODE 93

CODE 93バーコードは物流で使用され、小売在庫の梱包品の識別、電子部品のラベル付け、さらにはカナダ郵政省での配達情報の補足に利用されています。CODE 39と同様に、CODE 93バーコードでもASCIIコードの全文字に対応。コード自体の中にセキュリティが追加されるだけでなく、高い密度とコンパクトなサイズにより、CODE39で生成するバーコードよりも約25%短くなります。

文字が追加されていることから、CODE 39に代わるさらにコンパクトで安全なバーコードとして機能し、小型のサイズとデータの冗長性により、自動車から小売、物流まで幅広い業界での使用に最適です。

業界: 小売、製造、物流

CODE 93バーコードの詳細については、Scanditのブログ(英文)を参照してください。

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CODABAR(NW-7)

CODABAR(コーダバー、日本での呼称はNW-7)は、米国の血液バンク、FedEx、写真現像所、図書館など、物流とヘルスケアの業務で使用されています。印刷しやすいという特長が主な利点で、タイプライタなどのインパクトプリンタでも印刷が可能です。そのため、コンピュータを使わなくても、連続した数字を並べていくつもコーダバーを生成できます。コーダバーはディスクリート構成のセルフチェック機能付きシンボルで、最大16種類の文字に、4個のスタート/ストップキャラクタを加えてエンコードします。

コーダバーの利点は、スキャンとセルフチェックのしやすさにあり、これがコード入力時のエラーを低減できる要因となっていますが、大量のデータをもっと小さなフォームに記録できる新しいコード規格が受け入れられるようになり、コーダバーの利用は徐々に減ってきているようです。それでも物流、ヘルスケアなどでは今も広く使用され、学校でも図書館の本の背表紙に付けられています。

バリエーション: Codabar、Ames Code、NW-7、Monarch、Code 2 of 7、Rationalized Codabar、ANSI/AIM BC3-1995、USD-4

業界: 物流、ヘルスケア、教育

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GS1データバー

GS1データバー(旧称:RSS、省スペースシンボル)は、小売店で消費者向けクーポン、農産物、生鮮食品の識別に、またヘルスケア業界では小型の製品の識別に使用されています。消費者がよく目にするバーコードと比べてコンパクトなのが特徴です。2001年に導入され、米国の小売クーポンでは必須のバーコードタイプとなっています。

GS1データバーには多くの潜在的メリットが期待されています。例えば、大手小売企業はこのコンパクトなコードを使用して販売時の処理時間を短縮でき、セルフチェックアウト端末を使用する消費者の体験も、よりスピーディで便利になるはずです。また、医療機関でのケアも、ワークフローの高速化と効率化が見込めます。

バリエーション: GS1データバー標準型(Omnidirectional)、カット型(Truncated)、二層型(Stacked)、標準二層型(Stacked Omnidirectional)、拡張型(Expanded)、拡張多層型(Expanded Stacked)

業界: 小売、ヘルスケア

GS1データバーの詳細については、Scanditのブログを参照してください。

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MSI PLESSEY

MSI Plessey(別名:Modified Plessey)バーコードは、スーパーマーケットの棚のラベル付けなど、小売店舗の在庫管理に使用されます。正確に在庫を把握するために、倉庫などの保管施設でも使用されています。

MSI Plesseyコードでエンコードできるのは数字に限られますが、どのような長さでも生成できるため、データ量にはほぼ関係なくエンコードが可能です。ただし、バイナリ形式である点も、新しい実用的なバーコードに比べると頼りなく、非効率的かもしれません。

業界: 小売

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2次元バーコードのタイプ

2次元バーコードは、2次元のシンボルや形状を使用して体系的にデータを表します。線形の1次元バーコードと似ていますが、表すことのできる単位面積当たりのデータ量が大きく、QRコード、PDF417などの新しい規格も2次元バーコードに含まれます。

エラー訂正の仕組みが2次元バーコードのもう1つの重要なメリットです。裂けたり、擦り傷が付くなど破損がある場合でも、データの完全性を維持し、読み取れるように設計されています。この機能により、2次元バーコードは、急速に進化し競争の激しいスキャンアプリケーションに最適な唯一の存在となっています。

QRコード

QRコードは、広告、雑誌、名刺など、トラッキングやマーケティングの戦略で最も広く使用されています。柔軟なサイズと耐障害性、素早い読み取りスピードが特長です。ただし、レーザースキャナで読み取ることはできません。QRコードは、数字、アルファベット、バイト/バイナリ、さらに漢字と、4種類のデータモードに対応しています。パブリックドメインのため、だれでも自由に利用できます。

QRコードの汎用性は他とは比較にならないほどで、スキャン機能が搭載されていれば、エントリークラスのスマートフォンを含め、あらゆるデバイスでスキャンでき、ほぼ全てのタイプのデータをエンコードできます。また卓越した耐障害性も特長としており、コードの一部が損傷していても情報の読み取りが可能です。

業界: 小売、エンターテインメント、広告

QRコードの詳細については、Scanditのブログ(英文)を参照してください。

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DATAMATRIX CODE

DataMatrix(データマトリックス)コードは通常、小さな商品、製品、ドキュメントのラベル付けに使用されます。印字面積が小さいため、物流や製造などでも特に小さな製品を扱う業務に最適です。実際、米国電子工業会(EIA)では、小型の電子部品のラベル付けに推奨しています。QRコードと同様に、耐障害性が高く、素早く読み取ることができます。

DataMatrixコードはデータ密度が高く、製品や商品に印字してもあまりスペースを取りません。また、解像度が低かったり、スキャン位置を正面に合わせるのが難しい場合でも、読み取れるように設計されています。他の様々な2次元バーコードと同様に、DataMatrixコードにも強力な耐障害性が備わっています。

バリエーション: Micro-Datamatrix

業界: 電子工学、小売、行政

DataMatrixコードの詳細については、Scanditのブログ(英文)を参照してください。

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PDF417

PDF417コードは、写真、指紋、署名など、記録する情報量が比較的大きいアプリケーションに使用されます。機械読み取り可能なデータを1.1 KB以上格納できるので、他の2次元バーコードよりかなり強力です。QRコードと同様にパブリックドメインのため、自由に利用できます。

PDF417コードのデータ効率の高さは、運輸、在庫管理など、幅広いアプリケーションに適しています。また、紙の搭乗券のほか、公的機関が発行する身分証明書の作成にも最適です。

バリエーション: トランケートPDF417
業界: 物流、行政

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Aztec

Aztec(アズテック)コードは、特にチケットや飛行機の搭乗券など、運輸業界でよく使用されています。このバーコードは解像度が低くても読み取れるため、チケットの印刷品質が十分でない場合や、チケットをスマートフォンで提示する場合に役立ちます。また、他の2次元バーコードと違い、周りに「クワイエットゾーン」と呼ばれる空白を必要としないので、スペースも節約できます。

Aztecバーコードは極めてスペース効率が高く、比較的小さいサイズを維持しながら大量のデータを保持することができます。また、エラー訂正機能によるスキャンエラーの防止も重要な特長です。QRコードほど幅広い文字範囲には対応していませんが、それでも運輸やヘルスケアなどの業界にとって強力なツールとなっています。

業界: 運輸

Aztecコードの詳細については、Scanditのブログ(英文)を参照してください。

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ビジネスに最適なバーコードを選ぶ方法

ここまで一般的な1次元/2次元のバーコードタイプについて、一般的にどのように利用されているかをご紹介しました。

ここからは、各企業に最適なバーコードタイプを判断するために、次の5つの質問を確認していきましょう。

1. 小売店舗での販売時点(POS)にて、商品のスキャンのを検討していますか?

  • POSシステムでのスキャンには、UPCコード、JANコードが最適です。

2. 読み取りたい文字セットは英数字ですか?

  • 英数字のスキャンならば、CODE 39、CODE128、QRコードです。

3. 商品のパッケージの印刷スペースは限られていますか?

  • JAN-8、UPC-E、CODE 128、DataMatrixといった小型のフォームファクタをお勧めします。

4. どのような素材にバーコードを印刷しますか?

  • 段ボールにバーコードを印刷する場合は、ITFが最適です。

5. データ量を最も多く記録できるバーコードタイプを探していますか?

  • データをできるだけ多く格納したい場合は、PDF417コードが最適です。

本ブログでご紹介した情報が、バーコードを選ぶための参考になれば幸いです。1次元シンボルでも2次元シンボルでも、企業から個人の利用まで、ニーズに合ったバーコードタイプを選択していただくための基本的な情報をお届けしました。

Scanditでスキャン業務の最適化を実現

バーコードのタイプが決まれば、モバイルアプリケーション用のScandit Barcode Scanner SDKをダウンロードすることで、主要な全ての1次元/2次元バーコードを今すぐ、iOSまたはAndroid OS 搭載デバイスを使用して、比類のない速度と精度でスキャンできるようになります。Scanditが提供するバーコードシンボルのライブラリで、全てのタイプのバーコードとそのバリエーションを確認することもできます。

Barcode Scanner SDKまたは貴社ビジネスにおけるScandit製品の活用方法についてご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。さらに詳しい情報をお求めの場合は


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